札幌日大・黒滝がロッテと仮契約「目標はダル」
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仮契約書にハンコを押した時、体全体にアドレナリンが回った。「プロに入るんだ、と実感した。まっすぐで押すところは押し、変化球で抑えるときは抑える投球を貫きたい」黒滝は報道陣を前にきっぱり言った。
大安吉日。両親とスカウト2人を交えた5日の仮契約交渉は約30分で終わった。交渉に当たったロッテの松本尚樹スカウティング・スーパーバイザーは黒滝の素材を高く評価。「今年の(高校生)右投手の中ではトップレベル。フォームは直すところはない。スタミナをつけて3、4年してローテーションに食い込んでほしい」と最大級の賛辞を送った。
黒滝にとって一番の夢は札幌ドームで日本ハム相手にマウンドに立つことだ。「ドームで親に(雄姿を)見せることが目標。ダルビッシュ投手と投げ合ってみたいですね」と笑った。
3歳の時、父・秋雄さん(52)からプラスチックのバットとボールを与えられ、小学校の卒業式では「将来、プロの選手になる」と宣言した黒滝。夢を実現させた今も実家の小平町に帰った2日間以外は、チームの練習に顔を出し毎日、60~70球投げ込んでいる。松本スカウトも「オフの間に逆に体は締まった気がする」とびっくりした様子だった。
183センチの本格派右腕は12月14日の新入団選手発表を心待ちにしている。「(バレンタイン)監督には英語で話しかけたい」と照れ笑いを浮かべた。
◆一歩一歩前進して
仮契約後の会見で母・由紀枝さん(50)の目に涙があふれた。「とにかく体を壊さないで一歩一歩前に進んでほしい」と母親らしい優しいコメント。父・秋雄さんは「今でも夢じゃないかと…。私はずっと巨人ファンですが、これからは千葉ロッテを応援します」と話していた。
期待してるぞ。高卒ルーキーは、じっくりと焦らずに。