心はカープへ…ドラ3上野使える!
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3点差を追う八回、トヨタの守護神・上野にとって社会人野球最後のマウンドがやってきた。最初の打者を変化球で三振にとると、次打者も146キロで空振り三振。九回も最後の打者に9球粘られた間に最速148キロを2球マークし、最後は二ゴロに打ち取った。
2回を投げ打者6人に対して被安打0、4奪三振、内野ゴロ2つという完ぺきな内容で締めくくった。
「調子は普通だったがいい形でピッチングできた。でも、やはり勝たないと」と、準々決勝敗退を悔やんだ。それでも「結果として自分の力はあまり出せなかったが充実したシーズンを送れた」。入社7年目でドラフト上位指名を受けるまでに成長した充実の1年を振り返った。
今後は広島との交渉が待っている。「シーズンを終えてから会社サイドと相談してじっくり決めたい」としたが「きょうがトヨタでの最後の試合という気持ちはちょっとある」と、既に心はプロ入りの方向で固まっている。
ドラフト前はロッテ入りを志望していたが、21日の3巡目指名後、ブラウン監督がすぐに東京から大阪の宿舎まであいさつに駆けつけ、状況は一変。「即戦力として期待しているよ。1軍キャンプにも連れていく」と、ナマ激励されたことで心が大きく動いた。「前はどうしてもロッテへと思っていたが、こういうのも縁かなと思う」と態度を軟化させていた。
この日も「(広島側の)誠意を感じたし、前向きに考えたい。監督が会いに来てくれたのは大きい」と好印象を口にした。気持ちはカープカラーに染まりつつある。
この日、地元の野球教室のためブラウン監督は観戦に来られなかったが、田村恵スカウトが投球を見守った。「ナイスピッチ。ブラウン監督も見に来る気は満々だった。テレビで見ていると思うが、いい報告ができる」。期待の星の頼もしい姿にほおを緩めた。
一瞬でもロッテ入りを希望してくれた選手は応援したくなります。