マリーンの風 気楽さ貫き好結果呼ぶ
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小林雅流の考え方。それは「気楽にいく」ということです。通常、抑えの投手は試合終盤、もっともチームがピンチの場面で登場します。そこで抑えることが仕事です。そこで失敗すれば自分が傷つくだけではなく、それまで頑張ってきた先発、中継ぎ投手の白星が消え、チームが負けることを意味します。チームのすべてを背負って投げる。だからこそもっとも過酷なポジションと言われています。精神的に耐えられなくなる人もいるほどです。
そんなポジションを6年も務め、セーブ数を重ねてきたのが小林雅。彼が初めてストッパーを任された時に、監督に言った言葉。それは「本当にボクでいいんですか?どうなっても知りませんよ」でした。
これはあえて自分を追い込むのではなく、気楽に投げるための自己暗示に近いものだったといいます。プレッシャーを背負い込むことで気合をいれようとしたがるのがこれまでのストッパー像。そんな中で小林雅はまったく新しい発想を持っています。
もう一例、挙げさせてもらいます。「ボクの投球には100点と0点しかない。例えば3点リードで登板して2点取られたとする。でも勝った。ならば100点。反対にどんな形であれリードを守れなかったら0点。そのどっちか」。これは極端に開き直った考え方と言えます。普通なら三者凡退で気持ちよく決めたいという思いが働くもの。しかし、そこはあえて「3点リードしていたら2点まで取られてもいい」との発想で登板する。この気楽さが好結果を呼んでいるのです。
「あとはピンチを楽しむこと。これを乗り越えた先には勝利の握手が待っているのだとか、勝って飲むビールはきっとおいしいぞとか楽しいことを考えるようにしている」
肩の力を抜いてプラス思考で投げるロッテの守護神。ファンは彼を親しみを込めて『幕張の防波堤』と呼びます。
(千葉ロッテマリーンズ広報担当 梶原紀章)
ハラハラドキドキコバマサ劇場。