マリーンの風 悔しさ胸に残り全力で
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「防衛するものがたくさんあったにもかかわらず、交流戦優勝の一つしか防衛出来なかった。すべての責任を監督として感じている」
試合後の会見でバレンタイン監督は悔しさをかみ殺しながら、記者たちにそのようにコメントした。また、試合終了直後には選手、スタッフ全員をロッカーに集めた。
「順位は決まってしまったが、みんなで最後まで全力を尽くそう。みんなが最高の選手たちであることには換わりはない事実。残り試合を頑張ろう」
バレンタイン監督は気丈に振る舞い、落ち込む選手たちをしった激励した。
思えば、ここ福岡で昨年10月17日、31年ぶりのリーグ優勝を決めた。そこから日本一、アジア一と栄光への階段を駆け上がっていった。あまりにも皮肉な結果。歓喜に酔いしれた思い出の地で、その1年後に屈辱を感じることになってしまった。あの日、1年後に、このチームが天国から地獄に落ちることを誰が想像できただろうか。これがプロ野球界の厳しさでもあるのだろう。
この日に先発した清水直は降板した時、ベンチでグラブと帽子をたたきつけ、全身で悔しさを表現した。同じ日ではないが打たれて涙した投手もいた。負けて悔しくないものなどいないし、誰もがこの敗戦を忘れないつもりだ。
選手会副会長の福浦は話す。
「本当にファンの方に申し訳ない気持ちで一杯。しかし、試合はまだ残っているので最後までマリーンズらしい戦いをして、ファンの方が喜ぶ試合をして行きたい。プレーオフ進出は消えてしまったが、ボクたちの戦いは終わらない」
残り試合は少ないが全力プレーを見せることでファンに来年への希望を感じてもらいたい。4位が確定しても球場に足を運んでくれる熱烈なファン。たとえ、上位3チームに大きく突き放されても「私たちはあきらめてませんからね」と選手たちにエールを送ってくれた優しきファン。その人たちを裏切ることは出来ない。
あるデータがある。日本一チームが翌年にBクラスに転落したケースは過去8度。過去8チームのうち62年の巨人、94年のヤクルト、96年のヤクルトの3チームは奮起して翌年には日本一に返り咲いている。
悔しさを胸に・・・。千葉ロッテマリーンズも、そうありたいと思っている。
(千葉ロッテマリーンズチーム付き広報 梶原紀章)
2007年はリベンジの年。