ジョニー 来季へ背水の1600万円更改
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交渉時間はわずか15分だった。球団から提示された金額は、野球協約で定められた25%の減額制限を超える60%減の年俸1600万円。自己最高年俸(00年の1億8000万円)から、わずか10分の1以下の金額に、黒木は黙って判を押した。もう一度、全盛期の姿を取り戻す思いだけが、折れそうな心を支えていた。
完全復活を目標に掲げた今季は、苦難の連続だった。開幕こそ1軍ベンチ入りを果たしたが、以降は古傷の右肩痛が再発。わずか5試合の登板に終わり、夏場以降はファームでも満足のいく投球ができなかった。
「今年は本当に苦しかった。何をやるにもうまくいかず…。(球団に)物を言える内容ではない」
過去にはヤクルトの伊藤智仁が最高9300万円から最終年に1000万円でプレーしたことはあったが、黒木ほどの下落幅は極めて異例。それでも「何もできない選手をここまで置いてもらってむしろ感謝している」と笑顔すら見せた。
来季は野球生命を懸けたシーズンになることは、黒木自身が1番分かっている。「来年は自分の中で重要な年になる。仕事をしないと先の野球人生はない」。1軍で結果を残せなければ、自ら現役生活にピリオドを打つ覚悟だ。
右肩故障から苦節6年。復活のラストチャンスで、ジョニーは再び輝きを取り戻せるか-。
もう故障から6年か…。長かったろうな…。泣きそうだ。