ロッテ ズレータ“引き抜き”も
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水面下でV奪回のシナリオは着々と進められていた。瀬戸山球団社長は「数日前に代理人からアプローチがありました」と交渉中であることを認めた。
メールによって行われた交渉で、ロッテ側は契約金9600万円、年俸2億6400万円の2年総額6億2400万円を提示。さらに出来高について同社長は「考えるかもしれない」。ソフトバンクがズレータ引き留めに提示した2年7億円に近い大型条件を用意した。
バレンタイン監督はズレータと親交が深く、さらには代理人を務めるユージン・カサレジオ氏とも米国時代から旧知の仲。この人脈も金額以上の大きなアドバンテージとなる。V奪回に向けて大砲獲得が絶対条件の指揮官は、契約交渉が難航するズレータの獲得を球団に訴えてきた。自由契約となった後は、自ら本人に連絡を入れるなど“直接交渉”も行ってきた。
ズレータに提示した大型契約に瀬戸山社長は「駆け引きなし。これだったら営業努力で経営的にもニーズがある」。ロッテは今季の経営赤字が昨年の29億円から38億円に膨れ上がった。これ以上の“マネーゲーム”に応じるつもりはなく、ズレータ側にも「この金額で駄目ならウチは結構」と通告済みだ。正式な返事は届いていないが、この日になってソフトバンクが交渉打ち切りを発表したことで、入団合意の可能性は一気に高まった。現在、バレンタイン監督は新外国人獲得に向けて、ドミニカ、プエルトリコのウインターリーグを視察中。球団ではズレータ獲得が決まれば、それも中止する方針だ。
今季のロッテはチーム最多本塁打がベニーと里崎の17本。得点力不足は深刻で、昨年のアジア王者からBクラスに転落。プレーオフ出場すらならなかった。4年間の通算打率・291、122本塁打のズレータが加入すれば問題は一気に解消する。それだけじゃない。ソフトバンクの主砲を引き抜くことで、ライバル球団の戦力ダウンも見込めるなど“一挙両得”のボビーマジックとなる。
「外国人に関して(球団仕事納めの)29日までに何かしらの報告ができればいい」と瀬戸山社長。ロッテファンにとってこれ以上ない“クリスマスプレゼント”は、年内にも届けられる。
≪西岡 来年盗塁王で大台確約≫
西岡が契約更改交渉に臨み、1900万円増の7000万円でサインした。今季は33盗塁でタイトルこそ獲得したが、目標の打率3割と50盗塁に届かず「僕自身も成績に納得していない。結果を出したときに上げてもらえばいい」と話した。これには狭間球団代表補佐も「打率3割を打って、盗塁のタイトルを獲れば再来年の大台も見えてくる」と条件付きながら早くも年俸1億円を確約していた。
西岡はとりあえず3割打て。大台はそれからだろ。