幕張ファイヤー!ロッテ・ズレータがダル撃ち満塁弾“デビュー”
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昨年まで何度も痛い目にあったパナマのサムライが、今年のロッテの救世主だ。ダルビッシュに五回まで無得点に抑えられ、0-4と敗色ムードが濃厚だった六回二死満塁で、ズレータがグランドスラム。ゆっくりとダイヤモンドを一周して仲間の祝福を受けると、得意の空手チョップのポーズから、両手を振り上げ絶叫した。
「パナマウンガ(運河)、マクハリ(幕張)ファイヤー!!」
昨年まで福岡のファンに好評だったものをバージョンアップさせた新パフォーマンス。千葉マリンの花火をヒントにしたという新フレーズが、いきなり開幕戦からお披露目となった。
約3週間かけ、自宅でビデオカメラをセットし、写りをチェックしてきたというだけに「新しいユニホームで、新しいファンの前で打ててうれしい」とニンマリだ。
ソフトバンク時代は死球に怒って乱闘騒ぎを起こすなど、暴れん坊のイメージがつきまとうが、故郷の名門・パナマ工科大の出身。建築や構造設計に詳しく、普段は本を読んだり静かに時間を過ごすことが多い。
その冷静さがこの男の売りでもある。今江、西岡の安打と福浦の四球で二死満塁となったチャンス。ダルビッシュの性格を読んで「初球から勝負してくる」と狙いを定めた。直後の七回表に降雨コールド(引き分け)となっただけに、値千金の満塁弾となった。
「いい試合ができた。あきらめない姿勢を表せたね」とバレンタイン監督はまるで勝ったような気分。昨年はソフトバンク戦で7発も食らい、こ一番でのズレータの怖さはよく分かっている。「彼のリーダーシップに期待しているよ」とチームの核として信頼を寄せている。
スタンドでは福岡と同じくらい熱い千葉のファンが新応援歌「サムライ ズーリー」を熱唱した。声援に手を挙げて応えた助っ人は、「パフォーマンスはもう1つ考えてあるんだ」と早くも第2号を予告した。
★清水粘れず4失点
清水は3度目の開幕マウンドに臨んだが、9安打4失点で六回途中降板。「粘りの投球ができなかった。丁寧に投げることを意識しすぎて、球数が多くなった」と、105球の内容を反省した。ただ、取り組んできたカーブでカウントを稼ぐなど収穫もあり。「次回登板でしっかり結果を出したい」と気持ちを切り替えていた。
清水はエラーもあったけど、物足りなかった。初回は完璧だったけど。