橋本清のベンチ裏トークライブ 唯一白星のないロッテエースを直撃
|
「でも、ようやく投球フォームがしっくりしてきた。内容も良くなってきていますから」
本人は前向きな笑顔を見せますが、残った数字は残酷です。開幕から白星なしの5連敗(防御率5.92)。今季の12球団の開幕投手で勝利数の欄に「0」と記されているのは、この清水だけになりました。
「直、ちょっと考え過ぎてるんやないか。もともと、イケイケの関西人(京都出身)なんやから。開き直ってさ、腕を目いっぱい、振ることだけを考えて投げたらええよ」
登板前、無責任にそんなハッパをかけたこともありましたが、本人が悩むのは当然です。
「ボビー(バレンタイン監督)にも、『ダイジョウブですか? ダイジョウブですか?』と気を使ってもらっちゃって(苦笑)。改めて、1勝するのがどんなに大変で難しいか、痛感させられてます。いろいろチェックはしてるんですけど、なかなか自分の中でフォームがしっくりこなくて」
ユニホームのポケットに忍ばせている2人の子供の写真と「勝ち石」なるお守りも、今季ばかりは効果なし。先発に定着した5年前から続けている、「ユニホームの上着のボタンをきっちりと上まで閉める」というゲン担ぎをかたくなに守っても、勝ち星は運ばれてきません。
「自宅を出るとき、玄関先でいつも、清めの塩をまいてもらうんです。最近では、2人の子供に『邪気がついてる、邪気がついてる』と塩を投げつけられる(苦笑)」
五輪やWBCの同僚、巨人の上原や中日の谷繁らからも、「大丈夫?」「頑張れよ」と励ましの電話が鳴ったそうです。
こういう時は、やっぱり基本。振りかぶったときに、軸足に体重をしっかり乗せる。ピンッと真っすぐ立てば、フォームのバランスは崩れない。ボクが現役時代、常に意識していたポイントを参考までに話そうかな、と思った矢先、
「今は右足でしっかり立つ、ということを意識しているんです。感じは悪くありません。新人がガムシャラに投げているレベルから、ようやく普通の投手になってきた。あとは、ローテに入って勝てる投手というレベルに上げていくだけです」 と、清水。13日の試合は八回途中まで投げて、9安打2失点。今季初勝利は時間の問題です。
そしてようやく勝ったね。オメ。