ロッテ:1点死守、連敗3で止める 日ハムは終盤に逸機
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ロッテが1点差を守りきり、連敗を3で止めた。2点を追う二回、1死一、二塁から里崎の右中間3ランで逆転に成功。尻上がりに調子を上げた成瀬は7回2失点で、14勝目。日本ハムは二回、金子誠の左越え三塁打で2点を先取したが、終盤の逸機が響いた。
▽ロッテ・バレンタイン監督 成瀬は、今夜も素晴らしい投球。金子誠に打たれた適時三塁打はミスだが、その後を締めてくれた。
▽日本ハム・ヒルマン監督 ダルビッシュの失投は、里崎に対するあの1球だけ。ある意味、悔いの残らない試合だ。
◇ロッテ・成瀬、防御率1点台をキープ
二回。ロッテに1死一、二塁の好機が訪れた。打席の里崎に対し、日本ハム・ダルビッシュは力で押さえつけにきた。
凄みすらただよう150キロ超の直球が続く。2球ボールが続いた後、二つ空振りでカウント2-2に。だが、自身の球威を過信しすぎたのか、5球目の153キロをファウルで粘られると、6球目は外角低めへ151キロ。里崎の目は十分慣れていた。「打った感触? 完ぺきだった」。右中間席へ運ぶ、逆転3ランとなった。
11日現在で防御率1位(1.79)のロッテ・成瀬と同2位(1.91)のダルビッシュ。二人の高校時代を通じても初めての顔合わせが注目された。序盤、出来が悪かったのは成瀬。首位・日本ハムに4ゲーム差まで離され、負けられない試合だった。里崎はマスク越しに「成瀬は、プレッシャーに負けている」と感じていた。
ボールが先行し、二回には先に2点を奪われた。しかし、直後の逆転3ランを機に「もう1点もやらない」と気持ちを入れ替えた。七回、相手のスクイズが守備妨害で帳消しになる幸運も味方し、7回2失点でしのいだ。
これで14勝1敗。防御率も1点台をキープし、1959年の杉浦忠(南海)以来となる「シーズン勝率9割以上、かつ防御率1点台」が現実味を帯びてきた。「ダルビッシュはすごかった。投げ合えて楽しかった」と童顔をほころばせつつ「でも、自分のほうが失点が少なかったし自信になります」。チームにとっても優勝争いに踏みとどまる、価値ある1勝だ。
○…ロッテ・里崎が貴重な逆転3ランを放った。日本ハムに2点を先制された直後の二回裏1死一、二塁。「1点ずつ返しにいこう」という意識だったが、ダルビッシュに6球も直球を続けられれば、意地でもはじき返すしかない。151キロの速球を右中間席へと放り込んだ。「(逆転負けした)前日のこともあるので、今日はいい形で勝ちたい」との意気込みで臨んだこの試合。優勝争いに踏みとどまりたい一心でバットを振り切った。
○…七回、日本ハムの攻撃に痛いミスが出た。1死満塁の場面で代打・田中幸がスクイズ。低めへの難しいボールを転がすことに成功し、三塁走者・高橋が生還したかに見えたが、ロッテ・成瀬の一塁への送球がフェアゾーンを走る田中幸の背中に当たり、守備妨害でアウト。高橋も三塁に戻された。田中幸が一塁でアウトになっても、同点になった場面。貴重な同点機を逃した。
今日のジャッジは昨日のお返しだな。