里崎智也(ロッテ・捕手 9年目)
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日ハムのエース、ダルビッシュから逆転の3点本塁打を放った里崎は、お立ち台で笑顔、また笑顔だった。2点の先制を許した二回1死一、二塁、ダルビッシュが投じた6球目の151キロを強振。真芯でとらえた打球はロッテファンで埋まる右翼席中段へ飛び込んだ。勝利を決める値千金の一発。里崎は2試合連続本塁打とノリノリだ。
活躍ぶりと同様、驚くのはその強心臓である。この日は負ければ自力優勝が消える大一番。相手は防御率1.91のダルビッシュだけに、チャンスはそう巡ってはこない。普通の打者なら緊張でコチコチになりそうだが、里崎は「意外と冷静でしたよ。楽しく打席を送れました」とケロリ。
そういえば日刊ゲンダイ本紙がこの夏、連載した「夏バテ解消法」を聞いたときも、「そんなんやるヤツじゃないですよ、ボクは」とこう言い放った。
「飲みに行きたいと思えば飲みに行くし、眠いときは眠る。腹が減れば食いたいものを食う。好きな音楽を聴きながら奔放に生きている自然児なんです!」
記者の前で、カカカカと笑ってみせた里崎。もっとも、こうした豪放磊落ぶりは今にはじまったことじゃない。06年のWBC優勝時、息詰まる大接戦の連続で王監督、イチローをはじめ代表選手が緊張でヘトヘトになるなか、里崎らロッテ選手は夜ごとネオン街に繰り出し、豪遊していたというのだ。
「これからも泥臭く、ガンバっていきますよ」
そうファンに宣言した31歳の主将は、バレンタイン監督から「ブラボー!」とその尻を思い切り叩かれていた。
その強心臓が裏目に出ることもあるけどな。