雨中の好投 渡辺俊完投9勝目 今江がサヨナラ打放つ
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◇千葉ロッテ-日本ハム最終戦(11勝11敗2分、14時45分、千葉、17123人)
▽勝 渡辺俊25試合9勝6敗
▽敗 金森15試合4勝1敗
▽バッテリー
千葉ロッテ 渡辺俊―橋本
日本ハム 武田勝、金森―鶴岡
2位の千葉ロッテは30日、日本ハム最終戦(千葉マリン)を行い、今江の右中間三塁打で2―1とサヨナラ勝ちした。今江のサヨナラ打は昨年5月19日の中日戦(千葉マリン)以来。また3位のソフトバンクがこの日楽天に敗れたため、2位の本拠地で行われるクライマックスシリーズ第1ステージ(3試合制)の興行権のマジックを「2」とした。1日は試合がなく、2日は西武最終戦(千葉マリン)が行われ、千葉ロッテが勝って、ソフトバンクが敵地でのオリックス戦(京セラドーム大阪)に敗れると、千葉ロッテの2位が確定する。
【評】終盤粘った千葉ロッテが今季4度目のサヨナラ勝ち。九回一死一塁から8番・今江が右中間三塁打を放ち、決着をつけた。
渡辺俊は雨で足場の悪い状況の中、内外角、高低と丁寧にコースに突いて1失点完投で9勝目をマークした。
主力を温存した日本ハム打線は3安打と元気がなかった。
◆代打大松が同点二塁打
0―1の八回一死一、二塁、代打大松が同点の適時二塁打。「きのう(29日)一、二塁で3回まわってきて、打てないで悔しい思いをした。一発かましてやろうと思った」と誇らしげに振り返った。
カウント1―3から5球目、内角低めの球を強振。鋭い打球が一塁線を破った。「あのカウントだったので真っすぐ一本に絞った。うまく振りぬけた」と、ベンチの期待に応えた。
◆2戦連続完投9勝目
渡辺俊が2試合連続完投で9勝目。前夜に優勝を決めた相手は主力を温存したが、「この時期は若手が必死に来るので丁寧に投げた」と、3安打1失点のピッチングで貫録を見せた。
雨で試合開始が1時間45分遅れ、マウンドも終始ぬかるんだ状態だったものの、「足場が滑るのは仕方がない」と割り切って120球の完投ショーだった。
残り試合を考えると、今季最後の先発登板と思われる。「優勝した時より状態は良かった。9勝だったのでもう少し負け数を減らして、貯金したかった」といい、「2けた(勝利)に越したことがないが、そこまでのこだわりはない。(2・44の)防御率が支えだった」と振り返った。
◆ズレータが負傷交代
ロッテのズレータが七回の打席でスイングした際に右脇腹に痛みを感じ、八回の守備から退いた。アイシング治療を行い、2日の西武戦出場は当日の状態を見て判断する。
◆150万人を突破
千葉ロッテはこの日の観衆が1万7123人と発表され、今季主催した試合の観客動員数は150万7289人となった。実数発表に切り替えた2005年以降、初めて150万人を突破した。
◆自然にバットが出た
三塁ベースまで全力で走り抜け、本塁付近で待っているチームメートのところへ今江が小走りで戻ってきた。両手を広げ、満面の笑み。「チームが勝ったのでものすごくうれしかった」。サヨナラ三塁打を放った背番号8のもとに歓喜の輪が広がった。
九回一死。オーティズが二遊間への内野安打で出塁。打席には七回の先制機で凡退している今江。初球、甘く入ってきた変化球を逃さずとらえると、打球は背走しながら追う中堅手の右を破った。「“取るな”と思いました」
「たぶんスライダー。結構甘いボール。前の打席で初球を打ってだめだったので見逃そうかなと思ったが、自然にバットが出た」とはにかんだ。七回は二死一、三塁で初球のチェンジアップを右飛を打ち取られただけに、「何としても打ちたかった」。
26日の西武戦(グッドウィルドーム)では延長十回に決勝打。「何かこのところ打ててますね」と照れ笑い。優勝こそ逃したが、クライマックスシリーズ第1ステージを本拠地開催するため、チームは2位確保を新たな目標に切り替えた。「自分たちは勝っていくしかないので」と頼もしい言葉で力強く締めた。
◆千葉ロッテ1巡目は唐川
千葉ロッテは30日夜、千葉マリンスタジアムでスカウト会議を開き、新人選択会議(ドラフト会議)の10月3日の高校生ドラフトの指名広報選手最終25人をリストアップし、唐川侑己投手(18)(千葉・成田高)を1巡目で指名する方針を固めた。
松本尚樹スカウティングスーパーバイザーは「1巡目は唐川でいきます」と明かし、「地元選手だというのはたまたまで、うちのスカウトが1年生の時から高く評価してきた。将来的に能力の高いローテーションピッチャーになる」と“将来性”を重視した。
また同ドラフトでの指名予定人数は「抽選次第だが、多くて3人ぐらい」(松本スカウト)としている。
唐川投手は最速148キロの直球とキレのあるカーブ、スライダーなどの変化球を武器に2年連続して選抜大会に出場。今夏の千葉大会は5回戦で敗退したが、計28回を1失点、35奪三振と片りんを見せ、超高校級の右腕として注目されていた。
今日のボビー ◆打ちたい思いバットに
「(降雨で)簡単にプレーができるコンディションじゃなかったし、思い通りに打てる状態じゃない中、大松、今江が本当に打ちたいという思いをバットに乗せてくれた。渡辺俊は常に自分の持っているものを出して投球してくれる。(7回2安打無失点に抑えられた)武田勝は緩急をつけて打者のタイミングを外すのがうまいが、次の対戦ではしっかり対応したい」
短期決戦では今江。