ロッテ、俊介で鷹狩り!第1S突破に王手、千葉で2年前再現だ
|
パ・リーグのクライマックスシリーズ第1ステージ(3回戦制)が8日、千葉マリンで開幕し、2年ぶりの日本シリーズ出場をめざすロッテが05年のプレーオフ第1ステージでも先発した渡辺俊介投手(31)が5安打4失点で完投。ソフトバンクに8-4で快勝した。ロッテは9日の第2戦で勝つか引き分ければ、第2ステージ(対日本ハム、13日から札幌ドーム)進出が決まる。
右翼席を埋め尽くした応援フラッグが一斉に揺れる。九回二死、多村を三ゴロに仕留めて渡辺俊がガッツポーズだ。
「ホッとしました」。4失点ながら5安打1四球の完投勝利。大事な初戦を1人で投げ抜き、西岡とあがったお立ち台で安堵(あんど)の表情を浮かべた。
あのときと同じだった。風速「12メートル」。渡辺俊はマウンドから電光掲示板を見上げ、思いだしていた。日本一に輝いた05年10月8日の西武戦(千葉マリン)。プレーオフ初戦で先発、この日と同じ強さの風が吹いていた。
「相手先発の松坂(現レッドソックス)が風を嫌がったのを覚えています」
あのときと同じような試合展開だった。三回に本間のバントを処理した際、一塁に悪送球する自らの失策もあって3点を先制されたが、2年前もいきなり栗山に被弾している。それを覚えていた里崎はマウンドで「2年前も先制されたし、逆に縁起がいいよ」と声をかけた。このひと言で渡辺俊は調子を取り戻した。
相手マウンドにはあのときと同じように「リーグを代表する右腕」がいた。斉藤和との対決。風を計算した。センターからの強風はバックネット下の壁にはね返り、本塁付近で向かい風に変わる。シンカーを決め球に使った。バレンタイン監督も「彼本来の王者らしい投球を見せてくれた」と最大級の賛辞を送った。
05年の再現だ。実は9日の第2戦先発も、2年前の西武戦と同じ小林宏。渡辺俊のインタビューを笑顔で見つめ「ボクのベストの投球をしたい」と自信をみなぎらせた。さあ、2年前の再現。クライマックスシリーズで再び旋風を巻き起こす。
★西岡3安打2打点!今季初のお立ち台だ!
西岡が六回のタイムリー二塁打など3安打2打点。レギュラーシーズンを含む今季初のお立ち台に立った。「正直立たれへんと思ってたけど、CSで回ってくるなんて、ラッキーな星に生まれているのかなと思った」と神妙な顔。05年Vのラッキーボーイ的存在だったスピードスターは、やはり短期決戦で生きる。
★オーティズ、予感的中で1発!
オーティズが斉藤和KOの足がかりを作った。三回一死満塁で10球粘った後で三振も、この粘りで9連敗中だった斉藤和の4回降板に貢献。五回は先頭で柳瀬の代わりばなを左翼席へ特大ソロ。「三回にいい勝負ができていたので、次には本塁打が打てそうな気がしていたんだよ」としてやったり。
★バレンタイン監督に聞く
--三回の反撃は
「今年は選手たちがガッツを見せてくれている。3点先制されて相手が斉藤和でも、まず先頭のベニーの(三塁内野安打の)ハッスルプレーで勢いづいた。サブローも前の2人が三振し、自分も2ストライクまで追い込まれても(同点適時打を)打った。彼ほどガッツを見せる頼れる選手はいない。守備でもリーグ屈指の外野手だ」
--渡辺俊の投球は
「味方がリードを奪った後は、彼本来の王者らしい投球をしっかり見せてくれた」
--福浦、今江の8、9番も攻撃の起点になったが
「ヒットもそうだが、2人が選んだ(合計5)四球も攻撃のカギになった。福浦は体調もよく、このポストシーズンのキーマンになる」
--最大風速12メートルの強風も地の利となったか
「強風の有無にかかわらず、勝敗を分けたのは西岡の素晴らしい2本の適時打。ホームアドバンテージは後押ししてくれた、ファンのあの大きな声援だ」
--9日の戦いは
「2人の偉大な投手の直接対決。ウチの打線が(杉内の)高めの直球に手を出さなければ、十分勝機はある」
◆1安打3四球3得点とフル出塁のロッテ・今江
「1年300打席以上あって四球が20もない(今季13)のに…。いやあ、チームに貢献しましたよね」
◆オリックスからの移籍で短期決戦初体験も四回に決勝犠飛のロッテ・早川
「優勝争い自体生まれて初めて。(三回無死満塁で)ボクが三振しても後ろが打ってくれて、ロッテの選手はホント頼もしいです」
◆1安打2四球3得点のロッテ・福浦
「(斉藤和は)制球に苦しんでいたから、よく見極めようと思った。負ければ終わりの試合になると、出塁してよくつなぐことが大事ですから」
◆三回に同点の2点タイムリーを放ったロッテ・サブロー
「風の影響かもしれないけど(斉藤和は)いつものキレがなかった」
◆渡辺俊についてロッテ・井上投手コーチ
「三回は自分のミスで(先制を許し)力が入ったようだが、後半は素晴らしく、継投は考えなかった」
◆にしおかすみこ(お笑いタレント)
「生粋の千葉ロッテファンっていうのは、どこのどいつだ~い? あたしだよ!! クライマックスシリーズ第1ステージの初勝利おめでとうございます! 昔、私がまだSMの女王様じゃないころに(千葉テレビのロッテ応援番組で)リポーターとして選手を取材したこともあるんだ! 特に西岡選手は名前が同じこともあるし、イケメンだし、大好きだよ! そのあたしが応援しているんだ! クライマックスシリーズ優勝しないとお仕置きだよ! このブタ野郎!」
■データBOX
ロッテがソフトバンクに勝ち第2ステージ(S)進出に王手。3回戦制の第1S(04-06年はプレーオフ)は4年連続でレギュラーシーズン上位(2位)球団が先手を取った。先勝球団は04、05年が第1S突破から日本一、昨年は第2、3戦で敗れ第1Sで敗退している。
■05年パ・プレーオフ第1ステージ第1戦
10月8日、ロッテVs西武(千葉マリン)。ロッテは一回、先発の渡辺俊が栗山に初球を右翼席へ運ばれたが、五回に西武先発の松坂から堀の犠飛で同点。八回にはこの回から登板した三井に福浦、サブロー、フランコが3連打を浴びせて勝ち越し。九回は小林雅が締めて2-1で勝利した。
ロッテは第2戦も先発・小林宏の好投で勝利し、第1ステージ突破。第2ステージはソフトバンクに3勝2敗で勝ち、31年ぶりのリーグ制覇。日本シリーズも阪神に4連勝、31年ぶり3度目(前身の毎日含む)の日本一に輝いた。
昨日は本当に打線が機能してた。素晴らしい。