ロッテ・小林宏がまさかの今季最短KO…05年の再現ならず
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場内のざわめきが止まらない。マウンドの小林宏がうつむいたまま、一塁ベンチへ消えた。1回1/3を5安打6失点。今季13勝を挙げた右腕はレギュラーシーズンを含め、今季最短で降板した。
「大事な試合を壊してしまい、きょうほど自分のことを情けないと思ったことはない」
落差の大きい変化球が影を潜めた。一回、いきなり松中に右中間に先制タイムリー二塁打。外角のチェンジアップを痛打され、制御不能に陥った。二回には2四球から、本多に高めの外角球を中前タイムリーを許す。今季最悪の内容に、広報を通じコメントを残したものの、無言で球場を引き揚げた。
05年のプレーオフ第1ステージの西武戦(千葉マリン)は渡辺俊、小林宏の2人で2連勝。今回も同じローテで第1関門突破を狙ったが、その再現はならなかった。しかし、バレンタイン監督は不敵な笑みを浮かべた。
「1年間を通してファンのために戦っている。ここ(千葉)でもう1試合を見せるのはよいファンサービスだと思う」
日本ハムとの戦いが待つ第2ステージ進出は、10日の第3戦に持ち越された。先発マウンドには防御率&勝率で今季リーグ2冠の成瀬を送り込む。
「プレッシャーは好き。いい投球でファンにアピールしたい」。チームの命運を託された成瀬も不安など、みじんも感じさせない。ソフトバンクにはレギュラーシーズン終盤に2連勝。自信はある、売り出し中の無敵左腕が今度こそ、札幌行きを決める。
【バレンタイン監督に聞く】
――小林宏が誤算か
「ソウデスネ。変化球の制球に苦しんだ。そのピンチから抜け出すことはできなかった」
――小林宏は体調に問題があったのか
「それはない。次の先発に向け、準備できると思う」
――打線は
「各打者とも良い当たりが出ているし、スイングはいい」
――九回の小林雅は3者凡退に抑えたが
「登板している度に、力を増してきた」
――ソフトバンク打線も振れているが
「非常に積極的に打ちにきている。前日(8日)の負けで簡単にあきらめ、われわれに勝利を渡すとは思えなかった。あすも気合が入ってくるだろうし、われわれもその気持ちは変わらない」
――第3戦の成瀬は
「成瀬は向上している投手。そういったものを見せてくれるでしょう」
★西岡、連日の猛打賞も笑顔なし
西岡が、前日に続く3安打で気を吐いた。三回には右前適時打を放って反撃ののろしを上げ、七回には果敢に二盗も決めた。だが、チームの敗戦に笑顔はなし。「チームが勝てないとうれしさはない。まだ明日がある。相手の勢いに負けないように絶対に勝ちたい」と第3戦に目を向けていた。
◆二回途中降板の小林宏についてロッテ・里崎
「ストライクが入らないと話にならない。全部悪かった」
◆本塁打を含む2安打2打点のロッテ・福浦
「打てたことは明日につながる」
【マリン党の声】
◆徳竹佑季子さん(21)=千葉市在住、保育士
「打線が打てなかったけど、きょうの得点はTSUYOSHIのおかげ。盗塁もして。あしたも走ってください!」
◆菅野正司さん(40)、千葉市在住、会社員
「きょうは二回で決まってしまったけど、ロッテは必ず打つ! あした(10日)は成瀬で勝って、スッキリ札幌へ行きたい」
◆菅生正洋さん(28)=千葉・松戸市在住、自営業
「(小林)宏之は9月後半から少し不安だったけど、きょうは固かったなあ。でも成瀬で負けるつもりはない。王さんには悪いけれど、札幌行きはボクたちです」
◆高樹千佳子(キャスター)
「残念でした。スポーツ番組のキャスターをしていたとき、球場で何度かチームの皆さんの取材をさせていただきました。その年(05年)に、日本一になったのがきっかけで、応援しています。ロッテは、タオルを振っての応援で有名なように、ファンとチームが一体になっているところが魅力だと思います。第3戦できっちり決めてくれることを信じています。そして、まだ気が早いかもしれませんが、日本シリーズも楽しみにしています。」
ある意味、宏之で負けたなら諦めもつくね。