成瀬完封 サブロー決勝打 札幌決戦へ
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◇ロッテ-ソフトバンク第3戦(10日・千葉、30011人)
▽勝 成瀬1試合1勝
▽敗 スタンドリッジ1試合1敗
▽バッテリー
千葉ロッテ 成瀬―里崎
ソフトバンク スタンドリッジ、水田、篠原、藤岡―田上
1勝1敗で迎えたパ・リーグのクライマックスシリーズ第1ステージ(3試合制)第3戦は10日、千葉マリンスタジアムで行われ、千葉ロッテは4―0でソフトバンクに快勝し第2ステージ進出を決めた。
第1ステージの最優秀選手(MVP)にはサブローが選ばれた。
打ちあぐねていた千葉ロッテ打線は六回、一死から3連続四球で満塁とし、4番・サブローが走者一掃の右中間越え三塁打。成瀬が5安打で完封した。
第2ステージ(5試合制)は13日から札幌ドームで始まり、リーグ2連覇の日本ハムと日本シリーズ出場を懸けて戦う。
【評】千葉ロッテがワンチャンスを生かして投手戦を制した。0―0の六回一死から3者連続四球で満塁とし、4番・サブローの右中間三塁打で3点を先制。続く里崎のスクイズで4点目を加えた。
成瀬は伸びのある直球とスライダー、チャンジアップを内外角に投げ分け、無四球、5安打と、危なげない投球で相手打線を封じ込んだ。
ソフトバンクは先発のスタンドリッジが六回、1番・西岡への四球を機に崩れた。打線も一、三、五回と無死から走者を出したが、犠打失敗と2併殺で好機を逸した。
◆無四球5安打、タカ圧倒
第2ステージ進出を決めた瞬間、左中間から右翼にかけて埋め尽くした外野席のファンから勝利の紙吹雪が舞う。バレンタイン監督は試合後のインタビューで「ホントウニイチバンデス(本当に1番です)」とファンに向かって、絶叫気味に連呼した。
勝負の鍵となったのは、1アウト走者なしから3連続四球で満塁とした六回の攻め。1番・西岡が2ストライクからこの日初めて四球を選んで出塁し、次打者の2球目に二盗を成功。この試合初めての得点圏、しかも俊足の走者が出塁したことで、先発スタンドブリッジを揺さぶった。
これを機に相手右腕の制球が乱れ、さらに連続四球で塁上をすべて埋めた。六回一死までわずか2安打に封じ込まれていたが、この絶好機に、前2打席凡退ながらいい当たりの打球を飛ばしている4番・サブローが値千金の右中間3点三塁打を放った。
実は試合前、頼れる4番打者は指揮官に「きょうは楽しんでプレーをします」と打ち明けたという。負ければ終わりという重圧の中、「ファンの声援に後押しを受けて野球ができる幸せを感じ、楽しんで野球ができている」と勝負を決めた一打よりも、満員のファンの前でのプレーをできることを喜んだ。
さらに六回の攻撃前、ベンチで円陣を組み、げきを飛ばした主将の里崎が2球目を絶妙なスクイズバントを三塁方向へ転がした大きな4点目を挙げた。バレンタイン監督は「キャプテンがチームの危機を救い、一つにまとめてくれた」と目を細め、「札幌でのシリーズを楽しみにしている」と13日から始まる次なる戦いを見据えた。
◆心の準備できていた
主将の里崎がスクイズで貴重な4点目を挙げた。3点を先制し、なおも一死三塁、初球の変化球を見送り1ストライクからの2球目、130キロの球を鮮やかに三塁方向へ転がした。
「心の準備はできていたので、完ぺきなスクイズができた」と満足げ。本職の捕手では巧みな配給で完封した成瀬をリード。「成瀬は完ぺきだった。ブルペンから良かった。きょうは球威、制球、リズムとすべてが良かった」と若き左腕エースをたたえた。
今日のボビー ◆勝利しかるべき結果
「我々はシーズンを通してずっといい野球をしてきた。このシリーズでの勝利はしかるべき結果。成瀬は3度無死から走者を出したが、併殺などであきらめない投球を見せてくれた。サブローはシーズンを通していいところで打ってくれた。彼ほど大事な場面でヒットを打ってくれる選手はいない。(米メディアで米大リーグ・ヤンキースの監督候補に名前が挙がったことに関して)いま監督をしようと思っているチームは千葉ロッテだけです」
完封だったら負けないもんな。成瀬すげーよ。