成瀬で終戦 セギにやられた…パCS第2S・第5戦
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うつむくしかなかった。先発・成瀬が3回2/3、4失点でまさかの降板だ。今年、最短でのKOに「悔しい。こういう舞台で投げられたのは幸せ、と思っていたので、緊張はなかったんですけど…」パの球団相手には昨シーズンから16連勝中。今年、初めてパのチームに喫した黒星でロッテの1年が終わった。
1球が大きな影響を与えた。3回、2死一、二塁からセギノールに中越え3ランを浴びた。2―3からのチェンジアップが低めに決まったと思った。しかし、結果は最悪だった。「思い通りのところに投げられたが、それを打ち返されてしまった」。4回には2死二塁から鶴岡に中越えの適時二塁打を浴び、わずか56球での降板となった。「(本塁打で)自分を見失ったのかもしれない。修正できなかった」試合後、目を真っ赤にさせて振り返った。
今季、ロッテがシーズン2位となったのも、成瀬の存在があったからこそ、だ。16勝1敗。勝率9割4分1厘、防御率1・82の2冠に輝いた。ソフトバンクとの第1ステージ第3戦では完封勝利。チームを札幌へと導いた。キャプテン・里崎は「1年間、成瀬におんぶにだっこ。周りがカバーできなかったことが恥ずかしい」とかばった。試合後、グラウンドで相手先発・ダルビッシュと健闘をたたえ合った左腕は「五輪で頑張ろう」と誓い合った。
公式戦同様、あと一歩で頂点に届かなかった。バレンタイン監督は「まだ終わったばかりだが、1週間くらいしてから(来季への)準備をしようと思う」と前を向いた。試合を観戦した重光オーナー代行も「既定路線通り、(続投の)確約をとれていると認識している」と強調した。シーズン、そしてCSと2度も目前で胴上げを見せられた悔しさを胸に、指揮官は5年目のシーズンを戦うことになる。
本当に今年は成瀬におんぶにだっこだった。特に後ろが酷かった。