小林雅FA宣言 メジャーも視野に
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30人を超える報道陣が急きょ集結した千葉マリンの会見場。秋季練習を終えて黒のスーツに着替えた小林雅は「先ほどFA申請書を球団に提出しました」と切り出した。そして、初めてメジャー挑戦について言及した。
「(メジャーは)興味はあります。あこがれで行くところではなく、自分の力を試すところ。FAの選択肢の一つです」
これまで一度も口にしたことがなく、FA移籍する場合も関東球団希望とされていた。あるメジャー関係者も「メジャーに挑戦する選手は必ず噂を聞くが、小林雅は一切なかった。寝耳に水です」と驚く。その背景には、球団の低評価に対する不信感が見え隠れする。
今季は自らが持つ日本記録を更新する7年連続20セーブを達成。一方で救援失敗が続き、抑えに定着した00年以降では初の2軍落ちも経験した。球団側とは10月23、26日、そしてこの日の練習後と3度交渉。条件提示も受けたが、納得できるものではなかったのは想像に難くない。
日本一になった05年オフも、最終的には2年契約で年俸が微増したが、1度はダウン提示を受けた経緯もある。瀬戸山球団社長とともに交渉にあたった本多球団部部長は「誠意は示したい」としながら「最も残留してほしい1人か?」との問い掛けには「ひと言では言えない」と言葉を濁した。チームでは川崎、荻野ら若手救援陣の成長もあり、既にYFKの一角を担った藤田に戦力外を通告。2億5000万円の高年俸がネックになる小林雅の流出も覚悟しており、ロッテとの交渉が決裂した場合、メジャー挑戦も現実味を帯びてくる。
そりゃチームとして、好評価は出来ないだろ。