服部好救援!トヨタ自動車初V
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最後の打者をチェンジアップで三振に斬ると、両腕を高々と突き上げた。栄冠をつかんだものだけに許される歓喜のポーズ。服部は全身で日本一をかみしめた。
「魂の込もったリレーだと受け取った。気持ちを背負って投げました。自分が抑えるんだと」
完投したこれまでの3戦とは違い、ベンチで戦況を見守った。0―1で迎えた8回、打線が4点を奪い逆転すると、満を持してマウンドに上がり2回を1安打、3奪三振の無失点。今大会通算29イニングを投げ、失点はわずかに3。3勝“1セーブ”で文句なしのMVPに輝いた。
ドラフト1巡目左腕に引っ張られ、全国8強の壁にはね返され続けてきたチームも悲願の初優勝を飾った。就任2年目の山中監督は試合後、涙ながらにポケットから1枚の写真を取り出した。「彼のためにも日本一を獲りたかった」
10月に元マネジャーの福島豊さん(享年45)がくも膜下出血で他界。指揮官はチームの礎を築いた同期の死を悼み、喪章を付けて戦った。会社創立70周年でもあり、勝たなければならなかった。5投手による継投は勝利への執念だった。
トヨタ自動車に日本一という最高の置き土産を残した服部は、胸を張って新天地へと旅立つ。トヨタのエースからロッテのエースへ。プロでも歓喜の瞬間を味わってみせる。
個人的には先発で頑張ってもらいたいね。