成瀬完投、パ相手リーグ戦16連勝記事を印刷する
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ロッテの“不敗左腕”成瀬善久投手(22)が苦しみながらも連勝記録を更新した。日本ハム打線に粘られながらも要所を締めて6安打2失点完投。今季初白星をチームにもたらすと同時に、06年9月18日のオリックス戦から続くリーグ戦の対パ・リーグ連勝を16に伸ばした。
不敗神話が3年目に突入した成瀬は「記録のことは意識しなかった。満足のいく投球ではなかったけど、要所を抑えて勝ちにつながった」と振り返った。ベンチ前で出迎えたバレンタイン監督と握手を交わし、ようやく安堵(あんど)の表情を浮かべた。
序盤は真骨頂である制球が定まらず、2回に先制を許し、6回に同点ソロを浴びた。苦しむ成瀬を支えたのがチームメートの言葉だった。里崎捕手からはベンチに下がるたびにフォームや配球をアドバイスされ、西岡からは「いい球行ってるんだから、思い切って行けよ」と励まされた。7回にはベテラン堀の勝ち越し打で援護を受け、「野手の人に助けられました」と感謝した。7回にはボールを低めに集め、3人で抑えるなど尻上がりにピッチを上げた。結局、115球の完投劇で締めくくった。
この一戦にかける思いは強かった。昨年の日本ハムとのクライマックスシリーズ第2ステージ。2勝2敗で迎えた最終戦を託されたが敗戦投手となり、人目もはばからず号泣した。あれから約5カ月。同じ舞台で同じ相手に雪辱し、ひと回り成長した姿を見せつけた。ヒーローインタビューでは「自分が投げる試合は全部勝ちたい」と頼もしく宣言。昨年16勝1敗、防御率1・82の驚異的な数字を残したシンデレラボーイが08年白星スタートで実質“2年目のジンクス”も吹き飛ばした。
今年もシンデレラっぷりを発揮してくれ。