ロッテ小林宏が開幕戦の汚名晴らす1勝
|
ロッテ小林宏之投手(29)が汚名返上を果たした。オリックスを6回3失点に抑えて今季初勝利を挙げ、千葉マリン8連勝を飾った。20日の日本ハムとの開幕戦では6回1死満塁のピンチで右ふくらはぎにけいれんを起こして降板し、負け投手となった。この日は本調子ではなかったが、心強い本拠地で要所を締めてチームに連勝をもたらした。
ロッテのエース小林宏が苦しみながらも今季初白星を手にした。直球は最速143キロと精彩を欠いたが、スライダー、チェンジアップを低めに集め6回3失点に踏みとどまった。「真っすぐが最悪だった。それでも悪いなりにゲームをつくれたのが良かった」と複雑な表情を浮かべた。
苦しい時にプライドが支えになった。2回はラロッカに死球を与えたものの、続く村松、浜中を連続空振り三振。4回1死一、三塁のピンチも後続を変化球で打ち取り追加点を与えなかった。橋本捕手は「最低の調子だったと思うけど、冷静に打者を抑えたお手本のような投球。我慢強くなった」とたたえた。
試合前は「この前みたいにならないように、しっかり結果を出したい」と話した。「この前」とは悪夢のような開幕戦のことだ。20日の日本ハム戦でプロ12年目で初の開幕投手を務めたが、6回途中に右ふくらはぎがけいれんして無念の降板。5回まで許したヒットはわずかに1本と完ぺきだっただけに、その日の夜は悔しさのあまり眠れなかったという。
プライベートでも兄貴分の小宮山から「プロ失格」とまで言われ、その直後から思い切ってトレーニング方法を変える荒療治に出た。これまで投球練習以外でスパイクを履くことがなかったが、この1週間は練習中から常にスパイクを履いて足に負荷をかけた。「疲れますけど、足を強化してそういう状況になれさせることが大事」と話した。
リベンジのマウンドで「(けいれんする)気配は全くなかった」と言う。肉体的にも精神的にも壁を乗り越えた。バレンタイン監督も「ひと安心」と本音を漏らした。昨年7勝0敗と相性抜群の千葉マリンで、価値ある8連勝を飾った。
マリンでは落ちる珠が冴えるんだよな。