恋より勝負! ロッテ西岡“破局”で初サヨナラ
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「サヨナラ? 小学生以来かな。そういうのに縁がないんで…。ファンの声援は聞こえてました。燃え切ってました」
興奮が冷めないのも仕方がない。田中雅の同点適時打で迎えた9回1死満塁。ニコースキーの直球をつまりながら左前へ。プロ初のサヨナラタイムリーに大喜びだ。
低迷ムードを打ち破ろうと力みまくった。今回のソフトバンク戦で不振の福浦、ズレータが2軍落ち。つながらない打線のテコ入れのため、バレンタイン監督から、06年7月30日オリックス戦以来の3番に指名されたが、この日の劇的タイムリーの直前まで11打数2安打と大苦戦だった。
「1番と違って、3番はチャンスが回る確率が高いから。得点圏で自由に打てないし、ああいうチャンスで力むタイプですから。3番のレベルというか、ボクは(タイプが)違うと思う」
西岡といえば「不動の1番」。意表をついたプッシュバントや野手の間を抜く短打などの印象が強い、チャンスメークの切り込み隊長のイメージだ。だが、今回の殊勲打が大変貌をもたらすと強調するのがバレンタイン監督。「彼は(勝負強い)そういうタイプに近づきつつある。きょうのようなヒットが出ることで磨きがかかる」と予言する。
西岡はWBC、昨年12月の北京五輪アジア予選と国際舞台での強さを発揮。日本代表・星野監督も「(昨年の)アジア予選のメンバーが主になると思う」と明言するように、本番でも代表選出が確実だ。もちろん、まだ本人が「チャンスで力む」というように、日本代表では切り込み隊長の役割を期待されている。
しかし、どのシチュエーションでも勝負強さが発揮できれば、金メダルを狙う日の丸打線の打順オプションが増えるというもの。となれば星野監督の覚えも、さらにめでたくなるはずだ。
それだけに「今日はこれからお花見にいきますよ。夜桜気分です。でもお酒は飲めないから、お茶をいっぱい飲みますけどね」と満面の笑み。2年間、交際を続けていた女性タレントとの破局が伝えられている西岡だが、グラウンドのさくらは満開を迎えつつあるようだ。
やっぱりトップバッターが一番合ってるけどな。