ロッテ成瀬、復調で“魔球封印”! 8回を零封3勝目
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ヒヤッとさせたのは3回だけ。1死から辻、坂口に連打を浴びて一、三塁とされたが、直球を主体とした組み立てで後続を封印。8回終了時点で球数が124球に達したため、今季初完封はお預けとなった。
「最後まで投げたかった。もう少し球数を減らすことはできた。今年はいかに完投を多くするかが課題ですから」と、試合後も気合十分。開幕直後の表情とは雲泥の差だ。この日の戦前まで、すでに2勝をあげていたが、内容はいまひとつ。その原因は制球難だ。投手の生命線である直球のコントロールに四苦八苦し、それゆえ勝負球のチェンジアップを多投した。カウント稼ぎを打者に見送られ、四球を選ばれて、走者をためてガツン-。
まさに悪夢の展開。昨季まで12球団でも指折りだった藤田、薮田、小林雅のリリーフ陣がいなくなり、完投を意識するあまりの悪循環でもあった。
それだけに、調整も悪戦苦闘。中6日の登板間隔での調整で、昨年までは50球だった投球数も、完投へのスタミナ作りのため70球に増やしたが、うまくいかない。結局は「昨年の感じに戻したんです。試合前の練習も打者がいないところで投げても力むので、肩が温まったらマウンドにいくようにしてます」。
復調した成瀬が現在、試していたコトがもうひとつある。新球のフォークだ。投球の幅を広げるために自主トレ、キャンプで練習。「(相手に)あると思わせるだけでも効果がある。(報道陣の)皆さん書いてください」と漏らしていたが、昨季並みの内容が戻りつつあるだけに、新球投入の必要はなさそう。
とはいえ、「アイツのフォークはえげつない。落ちる角度が日本人離れしていて、チームスタッフじゃ捕れないよ。完全にマスターしたら、すごい武器になるんだけどね」(球団関係者)という証言もある。まだまだ日の丸の左腕エースの“伸びしろ”は計り知れない。
フォークかー。初めて聞いた。