マリーンの風「勝つこと+α」へ努力
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しかし、「勝つ」ことだけで、マリーンズが長い間抱え込んできた体質改善がなされるだろうか。答えは「否」と考える。
01年秋、大阪近鉄バファローズは、北川の代打逆転サヨナラ満塁本塁打というこれ以上ないほど劇的な一発でリーグ優勝を手にした。しかし、あれからわずか3年後に、球団そのものが消滅することなど、誰が想像しただろうか。
勝つことと同時進行で求められていたはずの、より多くのファンの皆さんに楽しんでいただくための環境整備や、球団収支の改善のための収益構造改革などは、おろそかになっていなかったのだろうか。
最寄り駅であるJR海浜幕張駅からマリンスタジアムまでの動線の充実、さらには駅周辺での大型ビジョン設置による実況中継など、マリーンズでは幕張地区全体の盛り上がりに向けて、県や関係企業への協力を要請している。
リピーターではない、初めて球場を訪れようとするファンの目線での不都合を一つでも多く解消すること、そしてそんなファンがまた行きたいと思ってくれる球場になるように、周辺環境を含めて充実させることが、根本的な収益構造の改善にもつながると考えるからだ。
開幕までおよそ2カ月、残された時間はさほど長くない。「勝つこと」だけではない何かをおまけにできるよう、球団スタッフは日夜努力を続けている。
マリーンの風、これが最古かな?