カンちゃんのホップ・ステップ・キャンプvol.2
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メルボルンは暑い暑いと聞いていましたが、空港を降り立つと果たして極暑でした。そこからバスで約1時間、ここのところ足りなかった深い睡眠を十分にとり、そうです、私はついに今年のマリーンズ快進撃のスタート地点になるであろう“ジーロング”に到着しました。 (私の無駄なハイテンションに比べ何とのどかな街なんでしょう。)
ジーロングベースボールセンターに着くと、“WBCからこっち露出度アップでスターダムの階段を登っている”梶原広報が出迎えてくれました。 早速、梶原広報に差入れを受け取っていただき、その後3面あるグラウンド、ブルペンなどを見学いたしました。あまりの強風に寒さすら感じていた私に「いつもより余計に吹いてます」と海老一染太郎師匠ばりの解説を入れてくれた内投手。昨年のクリスマスポスターモデルのお礼をしようとしたら「素晴らしいポスターをありがとうございます」と先手を打つナイスな小野投手。私に気づき、「こんなところで何やってるの?」と突っ込む里崎選手、仕事ですよ、一応。そうこうしているうちに、予定の取材を終えた初日でしたが、興味深い場面が数多くありました。
選手の移動中のスペースのソフトな応対と、練習場の中の心身ともにハードなトレーニング。息を呑む練習が繰り広げられているグラウンドと、それを見下ろして笑顔でホットドッグを売る豪州婦人。今年日本中を震撼させる強者の産声が聞こえる「ジーロング・ベースボール・センター」と、その場所すら知らないタクシードライバー。同センターの空気の緊張感と、一歩外に出たこの街のゆるい空気(J.スーラに点描させたらいいだろうなぁ)。これらの“戦闘地区と非戦闘地区”のような似つかわしくない二者の距離が、結構美しく感じるジーロングという街です。
★静かな火花と安心感 ~お客様アンケートの結果を受けて三本柱に聞く~★
スプリングキャンプスタートに合わせて、「今年最も活躍を期待する選手は?」アンケートの投手部門上位3選手に独占インタビューをしました。別の時間に行ったのですが、お互いの思いを知ってか知らずか、見えない静かな火花が散っていたような回答がありました。しかし、お客様アンケートの皆様のメッセージや不肖私の質問にも一生懸命・真摯にお答えいただき、感動と同時に三人とも間違いなく球界のエースと呼びたい方でした。1位から順にご紹介します。(紙面の都合上内容を一部割愛させていただきますのでご了承ください。)
《投手部門第1位:渡辺俊介投手》
Q 新球の仕上がり具合はいかがですか?
A バッターに投げて完成度を上げていきますので、まだまだこれからです。
Q 期待してよいでしょうか?
A その球だけを投げるのではないので、すべての球をトータルで見てください。
Q ズバリ!最多勝を狙ってください、という声が多いのですがいかがでしょう?
A 先発投手がたくさん勝たないとチームに勢いがつきませんので、昨年いっぱい負けた分を取り返したいという気持ちはあります。
Q 昨年不振でも変わらず大ファンです、という声がとても多いのですが。
A 負けても応援してくれるというのはとてもうれしいですし力にもなりますが、その分ファンの方も苦しんだと思いますので今年は一緒に喜んでもらえるよう頑張ります。
Q 何でも結構ですので、1つだけ数字で目標をあげてください
A 僕は数字を言うと必ず結果が悪くなるのでやめておきます。
Q では、抽象的な目標でも結構です。
A たくさん勝ってできるだけ負けない、です。(笑)
《投手部門第2位:清水直行投手》
Q 20勝いっちゃってください、という声が多いのですが?
A 今の野球は20勝というのはなかなか出来ないのですが、ただ当然狙うべき数字だとは思ってますので目標の最多勝のためにして頑張ります。
Q マリーンズのエースとして、チームを引っ張っていく役割が期待されていますが。
A 今年は選手会長として、何とか自分の気力・気持ちでチームを引っ張っていきます。
Q あと最低5年はマリーンズを引っ張っていってほしい、という声があがっています。
A 年数はこだわらず、毎年毎年自分も進化しながら引っ張っていきたいと思います。
Q いつもがむしゃらな姿見ています、というメッセージがありました。
A このメッセージは一番うれしいですね。野球が好きな中で、どんな形でも勝とうという泥臭い粘りのピッチングをしているので、それを見てくれているのは本当にうれしいです。
Q その姿は私も強く感じています。
A きれいに勝ちたいとかプライドもあるでしょうが、僕は気持ちで押し切るということを感じてもらえているならば、うれしいですね。
Q どんなときでも試合をつくれる清水投手を信頼しています、という声も多いです。
A 先発した以上は、6・7回まで投げるというのは考えています。野手は毎日出ているのに先発投手の我々は1週間に1回登板とか休ませてもらっているので、それは最低限の仕事です。
Q 具体的な数字で目標をあげていただけますか?
A 20勝狙って最低17~18勝、防御率2.50~3.00でチームが1位になることですね。
《投手部門第3位:小林宏之投手》
Q 開幕投手は宏之だ、という声が大変多かったのですが。
A 今年はオフから開幕投手を意識してますし、ファンの方からも支持されているというのはとてもうれしいですね。
Q 昨年苦しいチームの中で一番頑張っていたと評価されています。
A 苦しいことも多かったですが、みんな一生懸命頑張ってチーム一丸となってやってたので僕だけ苦しんだわけではないです。
Q 昨年は、そんな状況で精神的にも負担がかかったように見えましたが。
A それはあります。一昨年から軸として投げてきたので、連敗を止めたい、流れを変えたいという意識は強かったです。
Q 三振をたくさん取ってください、という意見もありました。
A (笑)それは僕も思ってます。三振にはこだわっています。三振はゲームの中で一番気持ちいいですから。
Q 20勝というのも期待する声があります。
A 投げる試合全部勝ちたいですけど、現実的には20は厳しいですね。(笑)
Q とにかくかっこいいです、という女性の声も多数あります。
A (笑)プロ野球は見られる商売ですから意識しています。そういう風に思ってもらえるとうれしいですね。
Q 具体的な数字で目標をあげていただけますか?
A むずかしいですねぇ。1年間ローテを守って、防御率2.50という数字でしょうか。
Q そうなれば20勝も可能ですね。
A いや、2.10じゃないと20は勝てないでしょう(笑)
東武百貨店のレポート恐るべし。