大観衆に飲まれても…台湾の最多勝左腕が実力の片りん
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立ち上がり、パ・リーグ屈指の観客動員を誇るヤフードームにのまれた。「メニーピープル」とつぶやきながら極度の緊張で登ったマウンドで案の定、ボールが先行し、先頭の大村を歩かせ、その後も3ボールの連続。松中に投げた120キロ台の力ない直球は、右翼フェンス直撃の三塁打となった。
ただ、荘コーチが「実績次第では有力な五輪代表候補」と認め、この日、3番手で投げた左腕のライバル成瀬も、「刺激になっている」と、警戒する実力の片りんは見せた。チェンジアップで2三振を奪い、スライダーも切れた。何よりも「台湾なら多くて2万。この雰囲気の中で投げておいて良かった」と、内野はほぼ満員の大観衆を経験できたことが収穫だった。
報道陣に囲まれ、「実は昨年11月のアジアシリーズ以降、あまりキャッチボールをしなかった」といきなり調整が遅い理由を白状。通訳の荘コーチを苦笑させた。「おれの底力はこんなもんじゃない」ということだろう。
呉偲佑が大活躍する気がしてならない…。ぜひ先発で…。