ロッテ・渡辺俊、復活完投ショー!“ジャイロ回転”操り松中斬り
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完全復活へ向けて白星スタートを切った。今季初先発の渡辺俊が、緩急をつけて昨年8月以来の完投勝利。お立ち台で白い歯を見せた。
「最初の登板でお立ち台に立ててうれしい。何としてもソフトバンクを走らせるわけにはいかないと、一生懸命投げました」。序盤から新球のチェンジアップを投入。走者を背負っても要所を締め、6安打1失点(自責0)7奪三振の好投だ。
昨季は3年連続2ケタ勝利を逃し、5勝11敗と低迷。WBC出場のための“急ピッチ調整”が、あとあとまで響いた。「じっくり体作りができず、バラバラでした。だから今年はとにかく丁寧に準備したんです」。自身のバロメーターでもある股関節の可動域を意識して、昨年末から体作りを始動。キャンプではジャイロ回転を意識した新たな直球に磨きをかけた。
米レッドソックスに移籍した松坂とともに注目された“魔球”ジャイロ。「自分のはあくまで『ジャイロ回転』で、ジャイロボールではない」と強調するが、以前は自然にかかっていた回転を「意識して投げられるようになった」という。この日も六回一死一、三塁で松中を併殺に仕留めた球は「カットぎみに投げた」ジャイロ回転の変型版だった。
「もう少し使えるようになれば、投球にも奥行きが出ますね」。宿敵ホークス打線に上々の出だしを切ったサブマリン。その浮上が、マリーンズV奪回のカギを握る。
■ジャイロボール
普通、直球は進行方向にバックスピンがかかるのに対し、ジャイロボールは進行方向に回転軸が向いており、フットボールやライフル弾のように、らせん回転しながら進む。直球に比べて縫い目に対する空気抵抗が少なく、初速と終速の差が非常に少ない。リリースから球速が落ちないため、打者は球がホップしたり伸びてきたと錯覚する。今春、レッドソックスの松坂大輔が投げる“魔球”として、全米で大論争を巻き起こしたが、松坂本人は肯定も否定もしていない。ジャイロとはギリシャ語で輪の意味。
★青野が値千金弾
青野が攻守に活躍し、勝利の原動力となった。二回、「初球から狙っていた」と今季1号2ランを左翼席へ。守備では二塁を守り、六回一死一、三塁で松中の強烈な当たりをさばいて、併殺に仕留める好プレー。「しっかり守らないと」と力強く語った。
俊介良かったよー。青野も良かったよー。