渡辺俊、無四球完投
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失われていた輝きが、戻ってきた。「マウンドと一体化している感覚が戻ってきた、って感じです」渡辺俊は独特の言い回しで、今季初登板のマウンドを振り返った。6安打1失点、無四球での完投勝利。昨年5月21日の交流戦、対中日戦以来の本拠地勝利。「マリンで勝てて良かった」久々に感じた幕張の風と声援がうれしかった。
球場に着くと「いろいろな意味の確認です」とマウンドに向った。気持ちを落ち着かせ、初登板への“儀式”を済ませた。試合では序盤から低めを突き、このオフ、習得に汗を流したチェンジアップなど変化球を巧みに織り交ぜ、強力打線を封じた。
最大のピンチは6回だ。1死一、三塁で迎えた苦手意識のある松中に対して、「直球の種類のうちの一つ」という秘球を選択。カットボールほど変化しないが、打者の手元で微妙に動き、「芯を食っても上がらない」という球だ。一、二塁間を襲ったが併殺となり、しのいだ。
昨年は5勝止まりだったが、この日のマウンドを見る限り、15勝した05年のサブマリンの復活を予感させた。
初戦を取れたのもでかいし、天敵松中を抑えたのもでかい。