渡辺俊が無四球完投!本拠地初勝利
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通常とは逆に追い風が吹くマウンドに「球は浮き上がらないし、変化球も曲がらないので」。進行方向を軸に回転して浮き上がる“ライジングジャイロ”と、新球・チェンジアップという2つの武器を封じられた。
だが、前半でチェンジアップを見せ球に使い、ジャイロは「高めを意識的に使って、あとは低めに集めた」と巧みな投球術で克服。六回一死一、三塁という最大の危機では苦手・松中を二塁併殺打に。決め球は「打球も上がらないし、しんを食ってもゴロになる」と、ジャイロをカット気味に投げる応用技だった。
5勝に終わった屈辱の06年。「1つのアクシデントで、冷静さを失う自分がいた」。だが、試合前にマウンドの風を入念に確かめ、味方の2失策にも動じない。その背中に、今季への揺るぎない自信がうかがえる。
この日、千葉マリンのバッティングセンターでは、渡辺俊の投球を再現した世界初のアンダースローマシンが不具合で稼働延期。不吉な予兆も文句なしの好投で「(自分の)身代わりになったんだね」と一笑に付した。頼もしい男が完全復活への一歩を踏み出した。
俊介が復活しないと、貯金できないからね。良かったよ。