渡辺俊が無四球完投 今季ホーム初勝利
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◇ロッテ-ソフトバンク1回戦(ロッテ1勝、18時15分、千葉、21016人)
▽勝 渡辺俊1試合1勝
▽敗 神内1試合1敗
▽本塁打 青野1号(2)(神内)
▽バッテリー
ソフトバンク 神内、山村―山崎、田上
千葉ロッテ 渡辺俊―里崎
千葉ロッテは30日、ソフトバンク1回戦(千葉マリン)を行い、渡辺俊の好投で4―1で勝ち、今季本拠地初勝利を挙げた。渡辺俊は今季チーム初完投で、昨年8月27日の楽天戦(フルスタ宮城)以来の白星を飾った。31日は同2回戦が行われ、28日のイースタン・リーグ巨人2回戦(ロッテ浦和)で先発登板した久保が先発予定。
【評】千葉ロッテは今季初先発の渡辺俊が高低と緩急を巧みに使った丁寧な投球で無四球、1失点完投で1勝目。
打線は八回まで3安打と元気がなかったが、二回に竹原の適時二塁打、青野の1号2ランなどでリードを広げた。
ソフトバンクの先発左腕、神内はぐいぐいと内角を突く投球で7回を3安打、8奪三振に抑えたが、二回の4失点(自責3)に泣いた。
◆緩急つけ打者ほんろう
最後の打者を103キロのカーブで三ゴロに仕留めると渡辺俊は数度、グラブをたたいて歓喜の輪に加わった。6安打1失点、計118球でチーム初完投勝利に、「一生懸命投げました」。ヒーローインタビューで表情を崩した。
千葉マリンスタジアムでの勝利は昨年5月21日の中日戦以来。ソフトバンクには一昨年の9月20日の18回戦(千葉マリン)以来の白星を挙げた。「長いことマリンで投げていなかったので」と苦笑い。
最大のピンチだった六回一死一、二塁の場面では、4番・松中を119キロのやや抜けた直球で併殺打に。「直球の種類のうちだが、ちょっとカット気味にずらした」(渡辺俊)。青野の好守もあり、この窮地を乗り切った。
捕手の里崎は「勝負所できっちり投げられた。緩急で前後のタイミングをうまく外せた。85点の出来」と好評価。渡辺俊も「集中を切らせずに投げられた」と満足げ。昨年5勝に終わった下手投げ右腕の巻き返しのシーズンが始まった。
◆ミスから一気に4点
2回の4点は、相手のミスに若手の2本の長打を絡める鮮やかな先制攻撃だった。
先頭の5番・ベニーがカウント2―0から4球続けてボールを選んで出塁。続く里崎が初球をプッシュバント。結果的に犠打となったが、バッテリーが処理を焦り、間一髪のプレーとなった。
これで動揺した神内が今江への初球を死球。続く竹原の6球目の105キロのカーブが本塁ベース手前でワンバウンドし、捕手がボールを見失っている間に2走者がそれぞれ進塁(記録は暴投)。慌てた捕手が二塁へ悪送球して1点を先制した。
この好機に竹原が2ストライクから粘って、7球目の134キロの直球を豪快に振りぬいて2点目。「ランナーを返すことだけを考えて、来た球を思いきり打ちました」。ワンバウンドで左中間フェンスに当たる一撃は、プロ初打点となる二塁打に。
さらに、次打者の青野が初球115キロのカーブを完ぺきにとらえる1号2ラン。「押せ押せムードだったので2点で終わるのではなく、1点でも多く取るきっかけを作りたいと思っていた」と笑顔がはじけた。
俊介、今年はマリンでも勝ちまくってくれ。