マリーンの風 選手 ガーナに用具寄贈
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このアイデアを思いついたのは今季より選手会長に就任した清水直行投手(31)だった。
「プロはどうしても道具をたくさん使う。そして、ベストパフォーマンスを見せなくてはいけないということもあり、まだ本来なら使える道具でも、少し傷が入っていたりすると破棄したりしてしまっている。それは、やはりもったいない。なにか役に立つ方法はないかと考えていた」
そこで注目したのがアフリカ大陸にあるガーナだった。高品質なカカオの産地として有名なため、チョコレート事業に参入しているロッテ本社との結びつきが深く、また現地にいる国際協力機構(JICA)の日本人スタッフが野球を教えたのをきっかけに今、野球を始めようとしている若者が多いという。
その地の野球発展に協力すべく、動くことになった。
選手会長としてキャンプ前の1月に選手全員の意志を確認。賛同を得ると、さっそくロッカー内に道具入れの箱を設置。するとあっという間に大きな箱はいっぱいになった。その後、3カ月。段ボール箱にして20箱がいっぱいになってしまった。選手の誰もがアフリカ大陸に新たな野球文化を根付かせようと積極的に道具提供を行ったのだ。
「みんなが協力してくれたことは本当にうれしい。それとやはり道具など有効利用できるものはしっかりとしていくべきだという考えが正しいことも改めて痛感した。これからもいろいろと考えていきたい」
この企画を考え、そして実行した清水直選手会長は予想以上に選手たちが協力してくれたことに、うれしそうに語った。
5千点を超える野球道具は3月22日にガーナ共和国バフォー・アジェバウア特命全権大使の手に渡された。
野球を愛する選手たちが提供してくれた道具は8月をめどに海を渡ることになっている。野球道具の数々をガーナの子供たちが、どのように手にし、どのように遊んでくれるのか。はたして喜んでくれるのだろうか?
現地からの報告が今から楽しみだ。
マリーンの風、早川コラム希望。