西武:八回に勝ち越し逃げ切る ロッテは13残塁の拙攻
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西武は同点で迎えた八回、リーファーのソロで勝ち越し、6投手による継投で逃げ切った。5番手の三井が2勝目。ロッテはプロ初登板初先発の高卒新人、大嶺が五回途中5失点も勝敗はつかず。打線は13残塁の拙攻で3度の満塁機を生かせなかった。
▽西武・伊東監督 (大嶺は)変化球でストライクが取れなかったので、直球に的を絞らせた。変化球でストライクを取られたら苦しかったと思う。将来が楽しみな投手。きょうはお互い拙攻で、疲れるゲームだった。
▽ロッテ・バレンタイン監督 大嶺はすべてにおいていい印象。変化球を鍛えてほしい。(テレビで全国中継があり、大嶺の出身地)石垣島のみなさんに見てもらえたことが素晴らしい。
◆バレンタイン監督(大嶺に)
「二回に5失点した後も、しっかり投げてくれたのは良かった」
◆青野(6号ソロで桜島に関連したパフォーマンスを披露)
「全国に地元の鹿児島をアピールできたのはよかった」
◇プロデビューの大嶺、大器の片りん見せる
獅子は我が子を千尋の谷に突き落とす、というが、ロッテのバレンタイン監督は大事な大嶺をライオンズの本拠地に突き落とした。18歳の新人投手は傷だらけになりながらも、何とかはい上がったようだ。
一回は140キロ台後半の快速球で3者凡退。上々な滑り出しだったが、味方の得点で、かえって「気が抜けた」という。二回、先頭のカブレラにシュート回転した148キロの直球を右翼席へ運ばれてリズムを崩す。連続四死球などでピンチを招くと、「変化球でストライクが取れない」(西武・伊東監督)と見た西武打線に高めの直球を狙われ、5点を失った。
これでくじけないのが大物新人の証しだ。バレンタイン監督の「まだ行けるか」の問いに、力強く応じた大嶺は「これ以上失点すれば使ってもらえなくなる」と気を引き締めた。三回、先頭のカブレラを覚えたてのフォークボールで空振り三振に切って借りを返すと、低めに集める投球を心掛けて立ち直った。受けた里崎は「上出来」、西武の伊東監督も「力があった。将来が楽しみ」とうなった。
八重山商工高のエースとして甲子園を沸かせただけにマウンドさばきは堂に入ったもの。同世代の楽天・田中や早大・斎藤らに負けないスター性を秘めている。今回は小野の負傷に伴う緊急登板で、このまま1軍にとどまるかは不透明。だが、大器の片りんを見せた背番号「1」がエースの座をつかむ日はそう遠くないかもしれない。
○…決勝ソロを打った西武のリーファーは「直球は絶対打てると思い狙っていた」と、してやったりの表情。同点の八回、ロッテ・荻野の甘い直球を振り抜き、右翼席へ放り込んだ。今季の本塁打はこれで4本目だが、うち2本が満塁本塁打と印象に残る一発が多い。「打球がスタンドに入るのは気持ちいいね」とリーファー。それよりもうれしいのが「チームが勝つこと」で、「日本シリーズまで突っ走るよ」と鼻息が荒かった。
本当に疲れる試合だったな。