ロッテ左腕53年ぶり成瀬開幕6連勝
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左腕から放たれたボールが糸を引くようにミットに収まった。成瀬は7回2死一、二塁のピンチで代打・森笠をカウント2―0から高めのボール球で空振り三振に取り、ガッツポーズ。「勝負どころでいい球がいった」唯一のピンチを脱し、7回4安打無失点。三塁を踏ませず開幕6連勝を飾った。
初めての尾道の軟らかいマウンドに最初はリズムがつかめなかった。3回までに3ボールを4度、四球も1つ出した。しかし、その後は下半身を意識した投球に修正。絶妙の制球と切れで抑えていった。
広島の先発・高橋は横浜高の先輩。21歳成瀬に対し、17歳年上相手にも動じなかった。「成長したところを見せたかった」高校時代、低めへの制球力をつけるために、渡辺監督からワンバウンドを投げる練習を繰り返させられた。当時は意味が分からなかったが、今はそれが成瀬の最大の武器になった。同じ指導者のもとで練習した先輩の前で進化を見せつけた。
ロッテの左腕で開幕6連勝を飾ったのは毎日時代の1954年、和田功(7連勝)以来53年ぶり。50、53年の荒巻、53年のカイリーと合わせ4人目の快挙に「光栄です」と笑顔で応えた。
チームも完封リレーで5連勝を飾り、交流戦単独2位。首位に立つペナントレースでも2位ソフトバンクを2・5ゲーム差と引き離した。昨年の5勝を2か月で超えた成瀬は「一つの目標だった。自分の投球をできれば勝ちはついてくる」。大きな自信を手に入れた左腕が交流戦3連覇へ勝ち続ける。
横浜高校恐るべし。