先発全員安打でM圧勝 清水復活の1失点完投勝利
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◇横浜-千葉ロッテ2回戦(ロッテ2勝、18時2分、横浜、16852人)
▽勝 清水10試合2勝5敗
▽敗 加藤9試合1勝3敗
▽本塁打 福浦2号(2)(加藤)ベニー5号(1)(加藤)
▽バッテリー
千葉ロッテ 清水直―里崎
日本ハム 加藤、高宮、ホセロ、岸本―相川
千葉ロッテは8日、セ、パ交流戦の後半戦初戦となる横浜との「湾岸シリーズ」2回戦(横浜)を行い、先発全員となる16安打を放ち12―1で大勝。昨年からこのカード4連勝で、対戦成績も11勝3敗。シーズンの貯金も今季最多の「16」に伸ばした。大量援護をもらった清水は相手打線を7安打に抑え、2006年10月1日の楽天20回戦(フルスタ宮城)以来の完投勝利で今季2勝目。9日は3回戦(横浜)が行われる。
【評】千葉ロッテが先発全員の16安打で圧倒の4連勝。一回に福浦の2ランで先制し、二回にはベニーのソロで加点。六、九回以外はすべて得点を重ねる猛攻だった。
清水は140キロ台の速球を主体に緩いカーブとスプリット系の変化球を低めに集め、1失点完投で2勝目。
横浜は先発の加藤が誤算。二回を3失点で早々とKO。2番手以降の投手も相手の勢いを止められなかった。
◆敵地で復活アピール
交流戦のチーム打率が唯一3割を超える好調の打線の猛打で圧勝した敵地のマウンドで、エース清水が昨季の最終戦以来の完投勝利で復活をアピールした。「勝ててよかった。ずっと迷惑をかけていたし、もう負けたくない」
直球は最速147キロを計測するなど力強いノーワインドアップで躍動。一発のある4番・村田は無安打と完ぺきに封じた。「自分のスタイルで勢いつけて投げたかった。胸を張って投げようと思った」と清水。捕手の里崎は「安定感があった」と話した。
打っても四回の打席で143キロの外角高めの直球を右前へプロ初安打。「僕だけ(先発全員安打の)仲間外れは嫌ですから。1本打てて良かった。何とかチームに貢献したかったし、ツヨシ(西岡)に回せば点が入ると思った」
昨年5月20日の中日2回戦(千葉マリン)以来の完封勝利は逃したが、「最後はインサイドが少し甘く入ったが、紙一重。三ゴロに打ち取ったかもしれない」と前向きに振り返り、「まだファンは認めてくれない。もっといいピッチングをしないと。とにかく1球1球集中してやっていきたい」と表情は明るかった。
◆ダッグアウト
ベニー(二回5号ソロ)「打ったのはストレート。パーフェクトなスイングができたね。昨日は家族とゆっくり過ごしてリフレッシュした。それが俺のエネルギーになっていると思う。まだ序盤、これで納得せず頑張るよ」
西岡(四回、適時二塁打)「打ったのはストレート。僕の前でナオさん(清水)がヒットを打ってチャンスをつくってくれた。自分でそれをつぶすわけにはいかないという気持ち。いいヒットになってくれて良かった」
◆福浦が先制2ラン
試合前まで交流戦の打率3割7分8厘と好調の福浦が一回、2号2ラン。カウント1―3から加藤の内寄りの直球を弾丸ライナーで右翼席へ放り込んだ。
5月16日の西武戦(千葉マリン)以来の一発。「3ボールになった時点で、とにかくストレートに狙いを絞っていた。後ろにいい打者がいるので、つなぐ気持ちで打ちました。本塁打になって良かった」と笑みがこぼれた。
◆サブロー連続安打止まる リーグ記録の更新ならず
3日から続いたサブローの安打が「9」で止まった。一回一死無走者、カウント2―1から4球目、外角に逃げる125キロのスライダーを腰から崩れるようなスイングで空振り。左翼席に陣取るファンからため息がもれた。
リーグ記録、日本記録更新の期待が膨らんでいた試合前、過熱する報道陣の前にサブローは「たぶん無理だと思う。だめもとで狙っていきます。できればそっとしておいてほしい」。
「意識してぱっと終わらせたい」。あまりにあっさりとした三振に、ベンチで苦笑いのサブロー。しかし重圧から解放されたのか、三回の第2打席は二死二塁の好機に、きっちり左前へ適時打。第3打席でも右翼線に幸運な二塁打を放った。
好調の要因は「ボールが止まって見えるということはないが、それに近い感覚」。今のサブローの言葉には説得力がある。
今日のボビー ◆清水は今年一番の投球
「清水は今年で一番の投球だった。直球もスライダーも、すべていいピッチングだった。サブローも毎回打てるというわけではない。次の(第2)打席できっちり打ってくれた。また新しい気持ちで挑戦してくれればいい。福浦はとてもいいスイングができている。常に3割打者という打撃を見せてくれている。(早川の欠場は)きょうは代田の打撃を見てみたかった」
ほう、ボールが止まって見えるか。