ロッテ:連敗止め首位死守 ヤクルトはシコースキーが誤算
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ロッテが引き分け一つを挟む連敗を4で止め、首位に踏みとどまった。2点を追う八回2死満塁から、里崎が左翼席最前列に逆転本塁打を放ち、試合を決めた。3番手の荻野がプロ初勝利。ヤクルトは2番手・シコースキーが誤算で、最下位脱出はならなかった。
▽ロッテ・バレンタイン監督 連敗をいい形で止めたかった。竹原、早川のヒット、堀が四球を選んで作ったチャンスに里崎が(満塁本塁打を放つという)最高の活躍をしてくれた。
▽ヤクルト・古田監督 (逆転満塁本塁打を打たれた)シコースキーについては、いいとか悪いとかは言えない。勝負を託しているんだから。
▽ロッテ・荻野 (プロ初勝利)自分の投球をしたいと思っていました。
▽ヤクルト・ガイエル (四回に右越えソロを放ち、3試合連続の本塁打)ストライクはなんでも打っていこうという気持ちだった。
◇1年前と同じ雨の満塁弾…ロッテ・里崎
雨の降りしきる八回2死満塁。シコースキーの147キロを打ったあと、ロッテ・里崎は顔を曇らせながら何度も天を仰いだ。球は勢いなく左翼方向に飛んでいたからだ。広い球場なら左飛だったかもしれない。だがここは両翼91メートルと狭い神宮。これが幸いし、打球は最前列に飛び込んだ。
打席に入るとき、こんなことを考えていたという。「今日も打てないかな」。実は里崎、昨年6月18日にも同じ神宮でのヤクルト戦で、逆転満塁弾を放っているのだ。しかもこのときも2点を追う2死満塁、同じく雨が降っていたのだから、里崎のみならず両チームの選手たちも「ひょっとして……」と考えていたに違いない。
その「ひょっとして」を実現してしまった里崎は、チームきっての積極思考の持ち主。好機では「ここで打てたらヒーローだ」などと自分を鼓舞し、それが結果につながることもしばしばだ。この日も見せ場で打席を迎え、ひとかたならぬ気合が入っているのが見て取れた。
ここ数試合、打線がつながらず、交流戦3連覇を逃すなど苦しい試合展開が続いていたロッテ。そんなもやもやを吹き飛ばすような、里崎の一発。交流戦では消化試合かもしれないが、間もなく再開されるリーグ戦に向けて大きな弾みになりそうだ。
里崎よく打った。この勝ちは大きい。