日本ハム:ダルビッシュが完封 ロッテ渡辺俊は一発に泣く
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日本ハムが息詰まる投手戦を制した。六回2死から、田中賢が右前打で出ると、続く稲葉の2ランで先制した。先発・ダルビッシュは、ロッテ打線を1安打1死球に抑え、今季2度目の完封勝利をマーク。
ロッテの先発・渡辺俊は一発に泣いた。
▽ロッテ・バレンタイン監督 (渡辺)俊介の失投は1球だけ。タフな相手と投げ合ったということだ。
▽日本ハム・ヒルマン監督 ダルビッシュは素晴らしかった。渡辺俊も打つのは困難だったが、たまたま我々のほうに援護があった。
◇対照的な2人の緊迫の投手戦
首位攻防第1戦は、対照的な2人の投げ合いとなった。150キロを超える速球で抑えつける日本ハム・ダルビッシュと、100キロにも届かない変化球で幻惑するロッテ・渡辺俊。互いに持ち味を発揮し、手に汗握る投手戦。ダルビッシュは、こう言った。「1点でも先にとられれば、負けると思った」
二回、ダルビッシュの切迫した思いが気負いを生む。右前打で出た一塁走者・サブローを気にするあまり、けん制が悪送球に。ベニーにも死球を与え、無死一、二塁のピンチを背負った。しかし、ここで踏ん張った。ワトソンに対して、速球に近いスピードながら手元で微妙に変化するカットボールを連投。3球目を引っ掛けさせ、併殺でピンチを切り抜けた。
その後は、大黒柱にふさわしい投球。一人の走者も許さぬまま、九回を投げきった。「スピードがあり、キレもあった。手元で伸びる感じで、失投すら打てなかった」と、唯一の安打を放ったサブローも脱帽した。
6月2日(阪神戦)の6勝目を最後に、1カ月以上白星から見放されていた。この日は序盤に乱れる傾向を気にして、試合直前の調整法を変えた。また、日ごろのクールな言動に似合わず「気合いを入れてもらうために」、ヒルマン監督にほほを軽く一たたきしてもらった。「負ければ(ロッテに)離されてしまう、大切な試合だった」とダルビッシュ。闘志あふれる109球だった。
○…ロッテ・渡辺俊にとっては、悪夢の再現だった。六回2死から、この日2本目となる安打を田中賢に許すと、続く稲葉には初球、カットボールが真ん中高めに浮いたところを右翼席へ。ほぼ完ぺきな投球を見せながら、結局この本塁打が決勝点となった。渡辺俊は、杉内と投げ合った6月29日のソフトバンク戦でも、九回、柴原にサヨナラ本塁打を浴び、0-1で敗れた。「2試合続けて同じような試合で負けてしまい、情けない。大事な試合、しかも相手チームのエースとの試合で勝たないといけない」と、悔しさいっぱいに球場を引き上げた。
★セギノールが欠場 日本ハムのフェルナンド・セギノール内野手(32)が6日、右手首の張りを訴え、ロッテ戦(札幌)を欠場した。
俊介は仕事した。ダルビッシュが良かった。でもベニー…。