成瀬 今季3度目完封で11勝目
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成瀬の気迫が、首位・日本ハムを凌駕(りょうが)した。「ゼロに抑えれば負けない。そういう投手になりたい」。その言葉通り、136球の力投で散発5安打に抑え、プロ初の無四球完封勝利だ。
「先制点をもらったので相手に流れを渡したくなかった。三振を狙う投球をしました」。直球は最速139キロだったが、制球とキレが抜群。打者のバットが面白いように空を切った。五回までに奪った7三振のうち、6個が直球で仕留めたもの。日本ハムには今季3戦3勝で、ゲーム差も4に縮めた。
札幌ドームではプロ初登板。九回、稲葉の打席では、満員のファンが逆転の願いを込めて跳びはねる“稲葉ジャンプ”を体験した。「ビックリしたけど、逆に『抑えてやろう』と思った」。チェンジアップで8個目の三振に仕留め、スタンドを沈黙させた。
これで11勝1敗。防御率1・70、勝率・917と3完封はいずれもリーグトップだ。防御率1点台で勝率9割以上の投手は59年の杉浦忠(南海)以来出ていないが、48年ぶり快挙も夢ではない。「残り試合、悔いを残さず投げたい」。その進化は止まらない。
「ゼロに抑えれば負けない」> 格好いいー。