“一発病”克服し負けない投球へ
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九回二死一塁。勝利まで残り1アウト。だが、次打者は七回に二塁打されるなど、前打席まで今季の対戦成績は4打数3安打。捕手の里崎がマウンドに来て「ホームランだけは避け、フォアボールでもいい」と最終確認した。
しかし、1ストライクから121キロの内角高めの直球を完ぺきにとらえられた。「最悪のホームラン。失投、自分の意識が足りなかった」。打球が右翼席に吸い込まれるのを見届けると、背番号31はがっくり肩を落とした。
今年の渡辺俊はとにかく一発に泣かされる。ここ10試合で被本塁打10。いずれも大事な場面が多く、今季6完投は小林宏、成瀬の5度を上回るチームトップだが、半数の3度が負け投手。勝ち星が伸びない理由の一つでもある。
確かに、エース級との対戦が重なり、援護射撃が遅かったり、少なかったりした不運もあった。それでも一昨年に15勝を挙げたサブマリンは「ピッチャーが点を取られなければ負けない。負けないピッチングをしたい」と言葉に力を込める。
今季の防御率2・54は、両リーグトップ16勝の西武・涌井をも上回る。一つ歯車がかみ合えば底力は別格。「次はこの日の反省を生かして投げたい」。逆転優勝に向け試合後のロッカールームでしっかり気持ちを切り替えた。
俊介頑張れー。