成瀬 14勝目!ダルに投げ勝った
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負ければ自力V消滅の危機を、成瀬の左腕が救った。7回2失点で自身8連勝での14勝目。なによりダルビッシュに投げ勝っての1勝に「この勝利は自信になります」と笑みがこぼれた。
立ち上がりに珍しく制球を乱した。「あいつより先に点を取られたくなかった」。力みから二回は一死一、二塁で金子誠に左翼越え三塁打を浴びて2点を献上。それでも「投げる瞬間だけに力を入れる意識をした」と立ち直り、六回までに9奪三振の快投を見せた。
この日の最速は138キロ。それでも剛腕投手と渡り合える秘密は、その身体的特徴にある。「肩の可動域が広いというより、肩関節が動く」と立花コンディショニングコーチ。他の投手より腕が遅れて出ることで、130キロ台の直球の体感速度は増し、バットが空を切る。肩関節の動きは、故障に直結する危険性もあるが、夏場の強化メニューと徹底したケアで、それを防いでいる。
防御率も1・82でリーグトップを堅持。16勝の西武・涌井にも2差と迫った。「これに満足せず投球を追求したい」。あくなき向上心が、左腕の成長を支えている。
肩関節が動く…。初耳だ。