11本打たれても失点1 負けない成瀬
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ロッテの負けない男・成瀬がチームを崖っ縁から救った。プロ入りワーストの11安打を浴びながら6回1/3を1失点。15勝目を冷静に振り返る表情にエースの風格が漂っていた。
「良い球と悪い球がはっきりしていたけど要所を締められた。簡単に変化球を見切られていたけど次は大丈夫。いい経験になった」
ソフトバンク戦は今季初登板。左手人差し指のツメが試合中に欠け、生命線の変化球の制球に苦しんだ。3回に4連打で1点を失い、なお無死満塁の大ピンチも後続3人を仕留めて切り抜けた。4回2死満塁では対戦を心待ちにしていた横浜高の先輩・多村を内角135キロ直球で詰まらせ、中飛に仕留めた。
「(渡辺)俊介さんに“おまえに何があっても、きょうは後ろにオレがついているから”と試合中に言われて気持ちよくいけた」と成瀬。03年8月17日の日本ハム戦(千葉マリン)以来4シーズンぶりの救援に回った渡辺俊が無失点。成瀬の投げる試合は負けられない、がチームの共通認識。“サプライズ継投”でソフトバンクとの差を3に縮めた。
今季9連勝、ナイター12連勝、千葉マリン9連勝と記録を伸ばした成瀬。防御率も1・81でトップを守って「11安打を打たれて1失点は奇跡。ダルビッシュに勝たなきゃいけないのかなと思う。投手が一番獲りたいタイトルだから負けたくない」。03年ドラフト6位で入団した4年目左腕は胸を張った。
ここまで来たら、タイトル獲らせてやりたいね。