逆転勝ちでシーズン2位決める
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◇ロッテ-ソフトバンク最終戦(ロッテ12勝10敗2分、18時16分、千葉、17295人)
▽勝 薮田58試合4勝6敗4S
▽敗 水田45試合5勝3敗
▽本塁打 里崎14号(2)(大隣)田上9号(1)(成瀬)多村13号(1)(成瀬)今江9号(1)(大隣)
▽バッテリー
千葉ロッテ 成瀬、久保、川崎、荻野、薮田―里崎
ソフトバンク 大隣、柳瀬、三瀬、水田―田上
千葉ロッテは3日、ソフトバンク最終戦(千葉マリン)を行い、7―5で逆転勝ちし、2位が確定。1点差を追う八回一死満塁、4番・サブローの3点二塁打で試合をひっくり返した。最多勝のタイトルを狙った成瀬は5回3失点で勝利投手の権利を得て降板したが、救援投手が打たれた。4日は敵地で楽天23回戦(フルスタ宮城)を行い、清水が先発予定。
楽天は日本ハムを破ったため、パリーグ6球団のすべての順位が決まった。
2位千葉ロッテは3位ソフトバンクを本拠地の千葉マリンに迎え、8日に開幕するクライマックスシリーズ(CS)第1ステージ(3試合制)を戦う。
【評】千葉ロッテが逆転で3連勝。このカードの勝ち越しを決めた。1点を追う八回一死満塁、4番・サブローの3点二塁打で試合をひっくり返した。一回に里崎の2ランなどで3点を先制したが、成瀬が不調でその後追いつかれ、五回に今江の2試合連続本塁打で勝ち越したものの、川崎、荻野も踏ん張れなかった。
ソフトバンクはリリーフ陣が踏ん張れず、逆転負けで3位が確定した。
◆ゲーム作れず反省の弁
八回に同点とされ、ダッグアウトの最前列で戦況を見つめていた成瀬は、ぐっと唇をかみ顔色を失った。
最多勝のタイトルにあと一歩届かず「ショックというより3点取られていますから」。自身の勝利より、試合の流れをつかめずマウンドを降りたことに無念さが漂う。
左腕エースは硬い表情を見せ「真っすぐが良くなかった。自分のことよりもチームの2位のことを意識してしまったのかもしれない」と淡々と反省を口にした。
◆サブローCSにつながる一打
左腕エースに白星はつけられなかったが、九回を託された薮田が3人でぴしゃりと締め、2位確定を懸け直接対決となったソフトバンクとの最終戦で逆転勝ち。バレンタイン監督は「またここでホークスと対戦するが、きょうの勝利は良い兆候だ」。
4―5の八回。代打福浦が遊撃への内野安打で出塁し、打順がトップに返り、西岡がカウント1―3から鮮やかなバント安打を決めた。指揮官は「サインではない。西岡がやってやろうと思い、しっかり実行した」と満足げ。
早川の犠牲バントでそれぞれが進塁し、ここで途中出場の左打者・大松が敬遠の四球。打席にはここまで無安打の4番・サブローが入った。「(敬遠に)いらいらした。集中した。何が何でも絶対に打ってやろうと思った」。初球、ややシュート回転してきた高めの直球をおっつけながら右方向へ打ち返した。
打球は右翼手を越え、走者一掃となる逆転3点二塁打。「あの打球、あの方向、完ぺきですね」と笑い、「クライマックス(シリーズ)でも常にこの気持ちを持って打席に入りたい」と殊勲の4番打者は胸を張った。
◆3番・竹原が先制打
相手の先発が左腕投手のため、「3番・左翼」で出場した竹原が最初の打席でスタメン起用に応え、先制の左前適時打を放った。
一回一死三塁、カウント2―2から5球目、141キロを振りぬくと、バットを折られながらも打球は三遊間を破った。「どんな形でもいいのでつなげたかった。いいところに飛んでくれました」と笑顔で振り返った。
◆里崎が14号2ラン
一回1点先制し、なおも二死二塁から5番・里崎が14号2ラン。「風が吹いたね。僕にとっての追い風。今後も05年のような風が吹いてくれたらいいね」とにっこり。
130キロの変化球で1ボール後、139キロの真ん中直球を完ぺきにとらえた。「しっかり勝って、シーズン2位を決めて地元でのクライマックスシリーズ開催としたい」と冗舌だった。
◆今江2戦連続アーチ
今江が2試合連続の決勝アーチ。3―3の五回無走者、カウント2―1から122キロのチェンジアップをすくい上げると、白球は左翼席最前列に飛び込んだ。
「前の回に同点に追いつかれたので成瀬のためにも何とか打ちたいと思っていた。ホームランという最高の結果が出て良かった。この調子を維持してクライマックスシリーズに臨みたい」と喜んだ。
◆唐川、千葉ロッテ1巡目 プロ野球高校生ドラフト
プロ野球の高校生ドラフトは3日、東京都内で開催され、本県から過去最多の5選手が選ばれた。
大型右腕の唐川侑己投手(成田)は意中の千葉ロッテ、甲子園で150キロを出した岩崎翔投手(市船橋)はソフトバンクに決定した。広島3巡目で丸佳浩外野手(千葉経大付)、オリックス4巡目で山崎正貴投手(市船橋)、横浜5巡目で坂本大空也外野手(市柏)が交渉権を獲得した。
高校生ドラフトでは史上最多の5球団が重複した速球派右腕の佐藤由規投手(宮城・仙台育英)はヤクルト、高校通算87本塁打を放った中田翔外野手(大阪・大阪桐蔭)は4球団が競合し、日本ハムがくじを引き当てた。
このほか、広島は安部友裕内野手(福岡・福岡工大城東)、オリックスは丹羽将弥外野手(岐阜・岐阜城北)、楽天は寺田龍平投手(北海道・札幌南)、横浜は田中健二朗投手(静岡・常葉学園菊川)、阪神は高浜卓也内野手(神奈川・横浜)、中日は赤坂和幸投手(埼玉・浦和学院)、巨人は藤村大介内野手(熊本・熊本工)の交渉権を獲得した。
2巡目は11月の大学生・社会人ドラフトの1巡目指名を回避した球団がなく、実施されなかった。中日、ヤクルトが3巡目で終え、4巡目から参加した西武と日本ハムが7巡目まで指名して終了した。指名数の最少は中日とヤクルトの2人、最多は日本ハムの6人で計39人となり、昨年の33人、一昨年の38人をともに上回った。内訳は投手23人、野手16人。
今日のボビー ◆ファン喜んでくれる
「何より一生懸命応援してくれるファンが、マリンで見たいと思っていたことを実現できて良かった。成瀬は5回3失点と自分の仕事をしてくれた。(久保の2番手起用は)クライマックスシリーズを想定してのことだし、きょうの試合に勝つプラン」
とにかく昨日はスペシャルな1日だったね。