ロッテ完敗も第3戦は切り札成瀬だ
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先勝した勢いは序盤でかき消された。ロッテの小林宏が今季最短1回1/3でまさかの6失点KO。最も信頼の厚かった右腕の乱調で、1度も主導権を奪うことなく敗れた。1勝1敗。だが、バレンタイン監督に悲壮感はない。
「小林宏は変化球の制球に苦しんでいた。ただ、体調面では全く問題はなかった。次の先発に向けて準備を進められる」
次の先発――。指揮官はまだ進出が決まっていない第2ステージでの雪辱を期待する言葉を発した。10日の第3戦に敗れれば終戦。勝つ自信があるからこそのエースへの猛ゲキだった。
第3戦には絶対的な切り札が残っている。防御率1・817、16勝1敗、勝率・941の2冠左腕・成瀬だ。「成瀬は投げるたびに何かを学んで身に付けていく。常に向上している。あした(10日)も、その姿を見せてくれるでしょう」。今季パの球団に無敗。ソフトバンク戦は1完封を含む2勝を挙げている。ロッカールームで敗戦を見届けた成瀬は「とにかく自分の投球をするだけ。自然と結果はついてくると思います」と口元を引き締めて車に乗り込んだ。
引き分けでも第1ステージ突破と優位は変わらない。先発要員の久保、小野も待機させて総動員となる大一番。「1年を通してファンのために戦ってきた。もう1試合ここ(千葉マリン)でやれるのは、非常に良いファンサービスだと思う」。バレンタイン監督は最後まで強気の姿勢を崩さなかった。
そう、成瀬がいるから大丈夫だ。