小林宏まさかのプロ最短1回1/3KO…パCS第1S
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自慢の制球力は鷹の執念によって狂わされた。先発・小林宏が1回1/3、5安打6失点でプロ生活11年目で最短KO。「試合を壊してしまい、チームメート、ファンに申し訳なく思う。今日ほど自分のことを情けなく思ったことはありません」今季12戦7勝無敗の本拠地のマウンドで長身右腕は天を仰いだ。
開始早々の“惨劇”に誰もが目を疑った。初回から自慢のチェンジアップの精度を欠いた。先頭の川崎に対し、カウントを取りにいったチェンジアップが2球外れた。リズムを崩し、粘られた末に中前安打。1死二塁から松中にもそのボールは甘く入り、右中間越え適時二塁打。先制点を献上するなど2失点。2回になっても修正できず、1点を許し、1死満塁とされたところで降板となった。
CS初戦の前日(8日)、「川崎が手ごわい。僕としては2番(打者)できてほしい。初回、1アウトをとってから迎えた方がやりやすい」と要注意人物に挙げていた。ソフトバンクはそれを見透かしたかのように川崎を1番に上げてきた。不安は的中。川崎に神経を使いすぎるあまり、普段の自分を見失った。
バレンタイン監督は「次の先発は大丈夫でしょう」と期待を口にした。今季のローテを成瀬でも渡辺俊でもなく、今季13勝の右腕を軸にまわしてきた。その証として、シーズン中と同様に中6日のマウンドを用意。信頼を失ったわけではない。ボビーもファンも小林宏が第2ステージでリベンジする姿を待っている。
そうだ、北海道でもその次でも、まだ挽回のチャンスはあるぞ。