ボビーマジックでかく乱ロッテ1安打で4点
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ボビーマジックが鮮やかに決まった。ロッテがワンチャンスを生かしてクライマックスシリーズ(CS)第1ステージ(S)を制した。0-0で迎えた6回1死、四球で出塁した西岡が二盗でソフトバンク先発スタンドリッジを揺さぶって3連続四球で満塁とすると、4番サブローが右中間へ走者一掃の三塁打を放った。続く里崎が意表を突くスクイズで加点し、1安打で4点を奪った。第2Sの舞台となる札幌行きをファンに呼びかけるバレンタイン監督の絶叫が球場に響いた。
虚を突いた。球場が一瞬、静まり、沸いた。バレンタイン監督が、お家芸をさく裂した。3点を先取した直後の1死三塁。カウント1-0。ソフトバンク守備陣の無警戒を逃さない。5番里崎に出したサインは、スクイズだった。してやったり。一塁ベンチで表情を押し殺しながら下を向いた指揮官。里崎は一塁でガッツポーズを繰り返した。
相手に重くのしかかる4点目。勝敗は決したといっていい。バレンタイン監督は「4点目は大きな点になると考えていた。里崎がヒットを打って得点を挙げてくれることもできたが、どうしても欲しい4点目のためにスクイズのサインを出した」と上機嫌で言った。
西岡の足、打順の入れ替え、そしてスクイズ。雌雄を決する大一番で、すべてが機能した。重苦しい展開の6回1死。西岡が好投スタンドリッジから四球を選んだ。試合が動く、予感がした。2番早川の2球目だった。大きなモーションを楽々と盗み、田上は投げることさえできない。助っ人右腕の動揺を誘い、集中力を見事にそいだ。
連続四球で満塁。サブローが右中間を破る3点適時三塁打で、スタンドは最高潮となった。この一打で第1ステージのMVPに輝いた背番号3は「外野フライは考えてませんでしたね。ヒットを打とうと。大きな試合でしたからうれしかった」と感慨に浸った。
信頼し続けてきた4番が、仕事を果たした。指揮官にとって、この上ない喜びとなった。予兆はあった。試合前のバッティングケージ裏。「非常に驚いたのは試合前、サブローが初めて私のところにやってきて『今日は楽しみましょう』と言葉を発してくれた。今日はファンも選手も試合を楽しんだだろうが、誰よりも楽しんだのはサブローだ」と同監督はうれしそうに言う。
お立ち台では今や恒例となった絶叫でファンと一体となった。「ファンノミナサン、サッポロニ、イッショニ、イキマショウ」。待ち受けるのは盟友ヒルマン率いるリーグ優勝の日本ハム。「ヒルマンはロッテと対戦したいと言っていた。こちらもそうしたいと思っていたのだから、両者の願いがかなった楽しみなシリーズ」と胸を躍らせる。勝利の余韻は封印し、第2ステージを勝ち抜ける。
サブローは一回り大きくなったな。