ロッテ5発で雪辱1勝1敗タイに
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ロッテが1発攻勢で大勝し、日本ハムに雪辱した。パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)第2ステージ(S=5試合制)第2戦で、里崎智也捕手(31)の逆転2ランを含む2本塁打など今季最多の5アーチと打線が爆発した。中4日で先発した小林宏之投手(29)が4回に右ふくらはぎけいれんで降板するアクシデントもあったが、リリーフ陣が踏ん張った。初戦の「ダルビッシュ・ショック」を払しょくする8-1の快勝で、1勝1敗の五分とした。
嵐の前の静けさだった。2回。里崎の逆転弾が左翼席最前列に飛び込んだ。ロッテファンが打球の行方をかたずをのんで見守り、スタンドの大半を占める日本ハムファンは沈黙。球場全体が静寂に包まれる異様な雰囲気となった、この里崎の1発でロッテ打線に火が付いた。その後はレギュラーシーズン中でも3発が最多だった本塁打が5発と大爆発し、相手投手陣を豪快に吹き飛ばした。
里崎は2回の逆転2ランに続き、8回にも左越えソロを放った。今季初の1試合2発で、チームを勝利へ導き、初戦に相手エースのダルビッシュに抑え込まれた嫌なムードも一掃した。「第1ステージの(勢いに乗った)千葉の風が札幌でも吹いてくれた。千葉からだから(到着するまで)時間がかかりましたね」。ドーム球場ながら、豪快な追い風を受けて、2本の大きなアーチを描いた。
「ボードに点を付けろ!」。選手を乗せるバレンタイン監督の暗示の効果もあった。5回に、7月31日以来の本塁打を放った4番サブローは「こんなに打つことはあまりない。うちは1回勢いがついたら止まらないからね」とニッコリ。ボビーも「うちのチームはいろんな形で得点できる。今日はそのホームランという形が目立ったわけですけど」。第1戦は5安打2点とおとなしかった打線が、この日は13安打と元気を取り戻した。
初戦の借りを返し、リーグ王者と再び肩を並べた。ボビーから信頼を受ける里崎は「日本シリーズのチケットを受け取りに来た。ベンチのムードは最高潮。風が吹いてきた」。1発攻勢で勢いに乗った打線に加え、15日の第3戦は今季日本ハム戦防御率1・13の渡辺俊が先発。31年ぶりに日本一となった05年同様、千葉発の第1S突破の追い風に乗って、連勝で一気にクライマックス制覇へ王手をかける。
俊介頼むぞ。打線頼むぞ。