ヒーロークローズアップ 成瀬善久(ロッテ・投手)
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七回まで二塁も踏ませぬ快投だった。16勝1敗、防御率1.817で防御率と勝率(.941)の2冠を手にした左腕は、プレーオフ第3戦でソフトバンク打線を見事に完封。
「なんとかチームに貢献できてよかった。(5安打8奪三振は)一試合一試合大事な中で、そういうピッチングができたのがよかった。シーズンの中でも1番、2番ってくらい(出来が)よかった。プレッシャーも全然なかった。楽しんで投げれた」と得意満面だった。
プロ3年目の昨季に一軍初登板。13試合で5勝5敗の成績を残した貴重な左腕は、今季ローテに入って大活躍。球速は130キロ台と並だが、初速と終速の差があまりなく、切れのある直球を武器に打者を翻弄した。
今もさいたま市の合宿所住まい。意外に趣味は多く、「レンタルビデオはありえない」というほどの映画マニアだが、主戦投手になった今年は1本も見ていないという。
「昨年までは同期入団で仲のよい内と一緒に、夜間にゴルフの打ちっ放しへも出かけていたが、今年は試合がない日もクラブを握っていない。爪が割れるからとの理由でアベレージ170というボウリングもプロ入りしてからやっていない。今の息抜きはシルバーカラーのクラウンでドライブすること」(マスコミ関係者)
入団当時は荘コーチからあれこれアドバイスされても、「同じ投手でも右腕と左腕では違う部分もある。そういうことは聞き流していた」という。
横浜高時代は野球部長から「松坂はもっと走ってたぞ」といわれて、「ボクは松坂さんじゃない」と口答えしたことも。球界屈指の左腕は技術もさることながら、心臓の強さも並大抵ではない。
そう、最終的にプロは1人で考えなきゃ。