里崎 土壇場一振りで逆王手!
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最終戦が引き分けの場合は、リーグ制覇している日本ハムがCS勝者となる。17日に発表される最終戦の予告先発投手は、日本ハムがダルビッシュ有投手(21)、ロッテは成瀬善久投手(22)が有力。
「会心の一撃でした。昨日は休んでいたみたいだけど、今日は(自分に)風が吹いてましたね」。CS優勝へ望みをつなぐ逆転弾を放った里崎が、お立ち台で満面の笑みを浮かべた。
1点を追う六回。先頭のサブローが四球を選び、マウンド上には武田勝。くしくも5発快勝の第2戦、逆転弾を放った二回の攻撃と同じ場面となった。主将の脳裏に逆転への弾道が浮かぶ。「同じシチュエーションで、ひょっとしたら打てるかなと思った」。
捕手としての読みもさえる。「(第2戦は)チェンジアップを打っている。それはないと思った。狙い撃ちです」。初球132キロの外角直球をフルスイング。中堅左へ白球が消えたのを見届け、左拳を天へ突き上げた。
九回は無死満塁から、外角の球を投げ出したバットに当てる“曲技”で左前適時打。貴重な追加点をたたきだし「必死でした。前の打席(七回)で恥ずかしい三振をしてるんで」と照れ笑いだ。
前夜の敗戦で追いつめられたロッテ。だが、主将・里崎は「WBCの方がきつかった。王手かけられまくりでしたから」。昨年3月のWBCで世界一を果たした自信が、極限の集中力を引き出した。バレンタイン監督も「とにかくガッツにあふれる選手。自分のすべてを出してプレーしている」と手放しで喜んだ。
これでCS優勝へ逆王手。だが気の緩みはない。九回、二走で飛び出しての盗塁死を刺し「僕がやっていたら示しがつかない。ミスが命取りになる」と引き締めた。
「初戦ではやられたが、リベンジの機会ができたので打ちたい。しっかり勝って千葉に帰ります」。第5戦での“ダルビッシュ撃ち”を宣言した里崎。風が、勢いを増してきた。
最終戦でのミスはダメだぞ。