ダルビッシュはピリピリ
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露骨にピリピリしていた。練習後の記者会見。報道陣約100人、テレビカメラ約10台に囲まれても、愛想笑いすら浮かべない。硬い表情をまったく変えぬまま、淡々と決意を語った。
「本当にやるしかない。最後を託されているんで。(今季限りで退任するヒルマン)監督の最後の試合にならないように頑張りたい」
状況は決して有利ではない。相手先発の成瀬が中7日で登板するのに対し、ダルビッシュは今季初の中4日。しかも13日の第1戦で133球完投しており、疲労は蓄積されている。しかも成瀬との相性は悪い。前回9月12日の対戦では、3失点で投げ負けている。
それでも、負けるわけにはいかない。できる限りの調整は施した。16日はブルペンで40球を投げ込み、この日はキャッチボールなどで最終調整。ドームに隣接した天然芝のグラウンドでも練習し、気分転換も図った。本拠地の声援という後押しもある。「大観衆で向こうは多少、自分の投球ができないと思いますし、自分は自分の投球ができる。勝てると思います」。淡々とした口調で、自信をみなぎらせた。
会見の最後、「周囲の期待を感じるか?」の問いには「別に」とだけ答えた。まるで女優の沢尻エリカのようなコメントで緊張感を漂わせた。エリカ様ならぬダル様が、ロッテ打線をひざまずかせる。
ダルはいいピッチャーだからな。2点取れ。