引退の黒木「自分の決断に悔いはない」
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全力で駆け抜けた13年間だ。「2007年12月12日をもって現役引退を決意しました。ありがとうございました」。黒木は目を潤ませ、そう切り出した。10月2日に戦力外通告を受けたが現役続行を希望。しかし、その後、獲得に動く球団はなかった。「引退を考えたのはこの2、3日。厳しい現状で引退がベストな形だと思った」と決断への経緯を語った。
01年以降は相次ぐ故障に苦しんだ。「今朝(裕子夫人から)メールをもらって『お疲れさまでした』と。やっぱり苦労かけたという思いが強かった」。家族への感謝の思いに言葉を詰まらせた。
一番の思い出には、勝利目前の九回二死から同点弾を浴びた98年7月7日のオリックス戦を挙げる。これでチームは17連敗を喫し、連敗はプロ野球記録の18まで伸びた。「財産にしないといけない経験。野球のすばらしさ、怖さを伝えたい」。今後は解説者として活動することが濃厚。魂のエース、ジョニー黒木が新たな一歩を踏み出す。
魂のエースの称号は、永遠にジョニーのものだ。