清水、悲しみ乗り越え今季初勝利
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こん身の121球目。ロッテ・清水の選択は直球だった。「打たれるまで真っすぐで行こうと思った。気持ちで押し切ってやろうと」。前夜のサヨナラのヒーロー、G・G・佐藤のバットが空を切り、最後は3者連続三振での完投勝利だ。ミットを突き刺す乾いた響きが、エース清水の復活を告げた。
4安打1失点。長い道のりの末につかんだ今季初勝利だ。「周りの方に助けられて野球ができている。すべての人に感謝したい」。さまざまな思いが脳裏を巡り、お立ち台で目を潤ませた。
昨季は6勝10敗、防御率4・78と低迷。復肩をかけた今季だが、1月17日に明美夫人が急死。調整遅れにより春季キャンプを2軍で過ごした。1軍合流後も、子供の小学校への送り迎えをこなしながら、懸命の調整を続けてきた。
新たな一歩を踏み出した記念のウイニングボールは、そっとバッグに忍ばせた。「落ち着いて野球をやっていきたい。(チームに)何1つ恩返しできていなかったので、少しずつ返していければ」と清水。エースの復活劇は始まったばかりだ。
清水の場合、やっぱりストレートで押せるかだよな。