あくまで冷静、史上初の平成生まれ勝ち投手 初登板初勝利のロッテ・唐川
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「投げるからには勝ちたいと思っていたので、素直にうれしいです」。高校生ドラフト1巡目ルーキーの唐川(千葉・成田)が、7回を3安打無失点。三塁を踏ませない見事な投球で、ドラフト施行後ロッテの高卒ルーキーとしては初となる「初登板初勝利」の偉業を達成した。
18歳とは思えないマウンド度胸を見せた。一回一死、仲沢のカウント2-1の場面。橋本のサインに首を振り、141キロの直球で空振り三振を奪った。「有利なカウントだったので、そこで直球を投げて自分の投球をつかもうかなと」。投球のテンポをつかむための選択。その判断は正しく、序盤高めに浮いた直球が、中盤以降は低めに集まった。
日本ハムの中田(大阪桐蔭)、ヤクルトの由規(仙台育英)と並び「高校生ビッグ3」として注目されたが、キャンプでは一人だけ2軍スタート。そのときは「2人とは実力が違いますので」と謙遜(けんそん)していたが、しっかり2軍で結果を残し、2人より先に1軍デビューを果たした。2人とはいまもメールを交わす仲。「あまり意識はしていません」とはいうが、相手にとっては大きな刺激になったはずだ。
この白星で、プロ野球史上初の「平成生まれの勝ち投手」にもなったが「球自体は納得いかない。今の段階の力ではなかった」とあくまで冷静だ。ウイニングボールは感謝の気持ちを込めて両親に渡し、次回登板は3日の西武戦(千葉)。浮つくことなく、ライバルたちにさらなる差をつける。
こんなに早く結果を出すとは…。恐れ入ります。