唐川あっぱれ!初登板初勝利!
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“高校生ビッグ3”の看板はダテじゃなかった。ロッテ・唐川に緊張の2文字は皆無だった。ドラフト制度後、史上13人目の高卒新人初登板初先発勝利。球団史上初の快挙の感想は「(ドームは)結構面白かった。空が見えなくて不思議な感じで。夜だというのを忘れていました」と言ってのけた。
威風堂々。その言葉がふさわしい投球だ。「余裕を持って投げられた。相手に与える影響もある。そこだけは意識した」。初回一死。仲沢をカウント2-1と追い込み、変化球のサインに首を振った。「直球の調子が良くなかった。ピシャッといけば乗れると思った」。あえて直球で空振り三振。いきなりの3奪三振スタートで勢いづいた。
直球の最速は146キロを記録し、7回3安打無失点5奪三振。それでも唐川は「結果は良かったけど、まだ本来の自分のキレがない」と、底知れぬ可能性を感じさせる。
天賦の才と無垢(むく)な思いが唐川の投球を進化させた。「僕は力が全然ないんです」。成田高時代の筋力値は部員約50人の下から5番目程度。それでも、快速球を生むフォームは小学生から変わっていないという。
「自分の中で、一番いい球を投げた時の感覚で自然に出来上がった」。まさに天性の野球センスだ。さらに、ゆったりとした独特の間は「中学の時に、その方がカッコいいなと思って」という理由から。それが体全体の力を集約させ、筋力不足を補う球威を生んだ。
「両親に感謝ですね」という右腕は、手にしたウイニングボールを実家へ贈る。次回は5月3日、地元・千葉での西武戦先発が有力だ。「家族や友達が見に来るので、勝ちたい」。真価は地元のマウンドで発揮する。
背筋とか関係ないんだなー。天性だよ。